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ボイラーの取扱い(A11~A20)
R3前期-A-問11
油だきボイラーの手動操作による点火について、適切でないものは次のうちどれか。
1:ファンを運転し、ダンパをプレパージの位置に設定して換気した後、ダンパを点火位置に戻し、炉内通風圧を調節する。
2:点火前に、回転式バーナではバーナモータを起動し、蒸気噴霧式バーナでは噴霧用蒸気を噴射させる。
3:バーナの燃料弁を開いてから、点火した点火棒をバーナの先端のやや前方の下部に置き、バーナに点火する。
4:燃料の種類及び燃焼室熱負荷の大小に応じて、燃料弁を開いてから2~5秒間の点火制限時間内に着火させる。
5:バーナが上下に2基配置されている場合は、下方のバーナから点火する。
R3前期-A-問12
ボイラーの送気開始時及び運転中の取扱いに関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:送気開始時は、ウォータハンマを起こさないようにドレンを切り、暖管を十分に行った後、主蒸気弁を段階的に少しずつ開き、全開状態にしてから必ず少し戻して送気する。
2:運転中は、2個の水面計の水位を対比し、差異を認めたときは、水面計の機能試験を行う。
3:運転中は、ボイラーの水位をできるだけ一定に保つように努め、どうしても水位が低下する場合は、燃焼を抑えて原因を調べる。
4:運転中は、給水ポンプ出口側の圧力計により給水圧力を監視し、ボイラーの圧力との差が増加気味のときには、給水管路が詰まっていないか調べる。
5:送気開始時は、ボイラーの圧力が上昇するので、圧力計を見ながら燃焼量を調節する。
R3前期-A-問13
ボイラーにおけるキャリオーバに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:キャリオーバは、蒸気室負荷が大きいと生じやすい。
2:シリカは、蒸気圧力が高いほど、また、ボイラー水中のシリカ濃度が高いほど飽和蒸気に溶解しやすい。
3:プライミングやホーミングが急激に生じると、水位制御装置が水位が下がったものと認識し、給水を始める。
4:キャリオーバが生じると、自動制御関係の検出端の開口部及び連絡配管の閉塞又は機能に障害を起こすことがある。
5:キャリオーバが生じたときは、燃焼量を減少させる。
R3前期-A-問14
ボイラーの水面計及び圧力計の取扱いに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 水面計を取り付ける水柱管の蒸気側連絡管は、ボイラー本体から水柱管に向かって上がり勾配となるように配管する。
B 水面計のドレンコックを開くときは、ハンドルが管軸と同じ方向になるようにする。
C 圧力計のサイホン管には、水を満たし、内部の温度が80℃以上にならないようにする。
D 圧力計は、原則として、毎年1回、圧力計試験機による試験を行うか、又は試験専用の圧力計を用いて比較試験を行う。
1:A、B
2:A、C、D
3:A、D
4:B、C、D
5:C、D
R3前期-A-問15
ボイラーのばね安全弁及び逃がし弁の調整及び試験に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:調整ボルトを定められた位置に設定した後、ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び吹止まり圧力を確認する。
2:安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて、再度、試験をする。
3:過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、過熱器の出口管寄せに取り付ける。
4:エコノマイザの逃がし弁(安全弁)は、必要がある場合に出口に取り付け、エコノマイザの保護のため、ボイラー本体の安全弁より低い圧力で作動するように調整する。
5:最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に調整する。
R3前期-A-問16
ボイラー水の吹出しに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:ボイラーの運転中にボイラー水の循環が不足気味のときは、上昇管内の気水混合物の比重を小さくし、循環を良くするため水冷壁の吹出しを行う。
2:炉筒煙管ボイラーの吹出しは、ボイラーを運転する前、運転を停止したとき又は燃焼負荷が低いときに行う。
3:吹出し弁又はコックを操作する者が水面計の水位を直接見ることができない場合は、水面計の監視者と共同で合図しながら吹出しを行う。
4:鋳鉄製蒸気ボイラーの吹出しは、燃焼をしばらく停止してボイラー水の一部を入れ替えるときに行う。
5:直列に設けられている2個の吹出し弁又はコックを開くときは、ボイラーに近い方を先に操作する。
R3前期-A-問17
ボイラーの水位検出器の点検及び整備に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:1日に1回以上、ボイラー水の水位を上下させることにより、水位検出器の作動状況を調べる。
2:電極式では、検出筒内の水のブローを1日に1回以上行い、水の純度の上昇による電気伝導率の低下を防ぐ。
3:電極式では、6か月に1回程度、検出筒を分解し、内部掃除を行うとともに、電極棒を目の細かいサンドペーパーで磨く。
4:フロート式では、6か月に1回程度、フロート室を分解し、フロート室内のスラッジやスケールを除去するとともに、フロートの破れ、シャフトの曲がりなどがあれば補修を行う。
5:フロート式のマイクロスイッチの端子間の電気抵抗は、スイッチが開のときはゼロで、閉のときは無限大であることをテスターでチェックする。
R3前期-A-問18
蒸発量が270kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lの給水を行い、20kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値に最も近いものは、次のうちどれか。
なお、Lはリットルである。
1:145mg/L
2:165mg/L
3:185mg/L
4:205mg/L
5:225mg/L
R3前期-A-問19
ボイラー給水中の溶存気体の除去に関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体の溶解度を下げることにより、溶存気体を除去する方法で、酸素は除去できるが、窒素や二酸化炭素は除去できない。
2:真空脱気法では、水を真空雰囲気にさらすことによって溶存気体を除去する。
3:膜脱気法では、高分子気体透過膜の片側に水を供給し、反対側を真空にして、溶存気体を除去する。
4:窒素置換脱気法では、水中に窒素を吹き込むことにより、酸素の分圧を下げて、溶存酸素を除去する。
5:化学的脱気法では、脱酸素剤としてタンニン、亜硫酸ナトリウムなどを用いて、溶存酸素を除去する。
R3前期-A-問20
ボイラーの腐食、劣化及び損傷に関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:アルカリ腐食は、熱負荷の高いところの管壁とスケールとの間で水酸化ナトリウムの濃度が高くなりすぎたときに生じる。
2:ピッチングは、米粒から豆粒大の点状の腐食で、主として水に溶存する酸素の作用により生じる。
3:グルービングは、主として水に溶存する酸素の作用により生じる細長く連続した溝状の腐食で、曲げ応力や溶接による応力が大きく作用する箇所に生じる。
4:圧壊は、円筒又は球体の部分が外側からの圧力に耐えきれずに急激に押しつぶされて裂ける現象で、火炎に触れる胴の底部などに生じる。
5:ボイラー本体に割れが生じる原因は、過熱、過大な応力などである。
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