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ボイラーの構造(A1~A10)
R2前期-A-問1
水管ボイラーの水循環に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:水管と蒸気の間の熱伝達率は、水管と沸騰水の間の熱伝達率よりはるかに小さいので、運転中、水の循環が悪くなり、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる。
2:自然循環式ボイラーの場合、循環力を大きくするには、下降管を加熱せず、また、蒸気ドラムと水ドラムの高さの差を大きくする。
3:自然循環式ボイラーでは、熱負荷を増すと循環力は増すが、循環量の増加に伴う流動抵抗の増大が著しくなり、熱負荷の増加の割にはボイラー水の循環量は増加しない。
4:自然循環式ボイラーでは、ボイラーの運転圧力が低いほど蒸気の比体積が大きくなるため、循環比を小さくする必要がある。
5:強制循環式ボイラーでは、細い水管や水平の上昇管を用いる場合でも、循環ポンプによって循環を行わせることができる。
R2前期-A-問2
重油を燃料とするボイラーにおいて、低発熱量が40MJ/kgの重油を毎時300kg燃焼させ、毎時4tの蒸気が発生したとき、発生蒸気の比エンタルピの値に最も近いものは、1~5のうちどれか。
ただし、ボイラーの効率は90%、給水の温度は24℃とする。
1:15kJ/kg
2:110kJ/kg
3:2600kJ/kg
4:2700kJ/kg
5:2800kJ/kg
R2前期-A-問3
炉筒煙管ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:ウェットバック式には、燃焼ガスが炉筒の内面に沿って前方に戻る方式のものがある。
2:「戻り燃焼方式」の燃焼ガスは、炉筒前部から炉筒後部へ流れ、そして炉筒後部で反転して前方に戻る。
3:ドライバック式には、炉筒後部と鏡板の間に煙室を設けたものと、炉筒後面と鏡板を管ステーでつないだものがある。
4:エコノマイザや空気予熱器を設け、ボイラー効率が90%に及ぶものがある。
5:煙管には、平滑管よりも伝熱効果の高いスパイラル管を用いているものが多い。
R2前期-A-問4
貫流ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:高圧大容量のものには、ベンソンボイラー、ズルツァボイラーなどがある。
2:負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので、給水量や燃料量に対して応答の速い自動制御を必要とする。
3:超臨界圧ボイラーでは、ボイラー水が水の状態から加熱され、沸騰状態を経て連続的に高温高圧の蒸気の状態になる。
4:ズルツァボイラーには、気水分離器が一連の長い管系で構成されている蒸発部の出口に設けられている。
5:給水量と燃料量の比が変化すると、ボイラー出口の蒸気温度が激しく変化する。
R2前期-A-問5
炉筒の構造及び強さに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されているため、炉筒板内部に圧縮応力が生じる。
2:炉筒は、外圧を受けるので、真円度が保たれていないと、圧力により変形が増し、圧壊を起こすおそれがある。
3:平形炉筒では、熱応力を軽減するための伸縮継手の多くは、溶接によって取り付けられる。
4:波形炉筒は、平形炉筒に比べ、熱による炉筒の伸縮を吸収するが、外圧に対する強度は低い。
5:炉筒の鏡板への取付けは、一般に鏡板の炉筒取付け部分を内方に折り込んで、突合せ溶接によって行う。
R2前期-A-問6
過熱器に関し、誤っているものは次のうちどれか。
1:過熱蒸気を使用すると、蒸気原動機の熱効率が上昇するとともに、膨張後の蒸気中の水分が減少するため、タービン翼の破損を防止することができる。
2:過熱蒸気を使用する蒸気配管では、ドレンやウォータハンマが発生しない。
3:放射形の過熱器は、大型のボイラーの火炉の上部に設置され、主に燃焼ガスからの放射伝熱を受ける。
4:対流形の過熱器は、火炉を出た燃焼ガス通路に設けられ、主に対流伝熱を受ける。
5:放射対流形の過熱器は、火炉の出口付近に設置され、燃焼ガスの放射伝熱と対流伝熱をそれぞれ同程度に受ける。
R2前期-A-問7
ボイラーのばね安全弁及び安全弁の排気管に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:安全弁の吹出し圧力は、調整ボルトを締めたり緩めたりして、ばねが弁体を弁座に押し付ける力を変えることによって調整する。
2:安全弁は、蒸気流量を制限する構造によって、揚程式と全量式に分類される。
3:揚程式安全弁は、弁座流路面積で吹出し面積が決まる。
4:安全弁軸心から安全弁の排気管中心までの距離は、できるだけ長くする。
5:安全弁の取付管台の内径は、安全弁入口径と同径以上とする。
R2前期-A-問8
給水系統装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:給水ポンプ過熱防止装置は、ポンプ吐出量を絞り過ぎた場合に、過熱防止弁などにより吐き出ししようとする水の一部を吸込み側に戻す装置である。
2:ディフューザポンプは、その段数を増加することによって圧力を高めることができるので、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。
3:渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているもので、小容量の蒸気ボイラーなどの給水に用いられる。
4:給水加熱器は、排ガスの熱を回収して給水の温度を上げるもので、熱交換式が広く用いられる。
5:給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、給水弁をボイラーに近い側に、給水逆止め弁を給水ポンプに近い側に、それぞれ取り付ける。
R2前期-A-問9
温度検出器に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A バイメタル式温度検出器は、熱膨張率の異なる2種類の薄い金属板を張り合わせたバイメタルにより、接点をオンオフするもので、振動により誤差が出ることがあるが、直動式のため応答速度が速い。
B 溶液密封式温度検出器の感温体は、ボイラー本体に直接取り付ける場合と、保護管を用いて取り付ける場合がある。
C 測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度変化によって一定の割合で変化する性質を利用して温度を測定するもので、使用する金属には、温度に対する抵抗変化が一定であること、温度係数が小さいことなどの要件が必要である。
D 熱電対は、2種類の材質の異なる金属線の両端を接合し、閉回路を作ったもので、両端で温度差が生じると回路中にその金属固有の熱起電力が発生する原理を利用して、温度を測定するものである。
1:A、B
2:A、B、D
3:A、C
4:B、C、D
5:B、D
R2前期-A-問10
ボイラーのドラム水位制御に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:水位制御の目的は、負荷が変動しても、ドラム水位をできるだけ一定に保つことである。
2:ドラム水位の逆応答とは、ボイラー内の蒸発作用が著しく増大した場合、ドラム水位が一時的に押し上げられる特性のことをいう。
3:二要素式は、蒸気流量及び給水流量を検出し、これらに応じて給水量を調節する方式である。
4:三要素式は、ドラム水位、蒸気流量及び給水流量を検出し、これらに応じて給水量を調節する方式である。
5:熱膨張管式水位調整装置には、単要素式と二要素式がある。
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