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ボイラーの取扱い(問11~問20)
R4後期-問11
ボイラーの起動時及び蒸気圧力上昇時の取扱いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:ガスだきボイラーでは、適正な火力の点火用火種を使用して点火する。
2:常温の水からたき始めるときの圧力上昇は、始めは遅く、次第に速くなるようにして、ボイラー本体各部の温度上昇が均等になるようにする。
3:空気予熱器に不同膨張による漏れなどを生じさせないため、燃焼初期はできる限り低燃焼とし、低燃焼中は空気予熱器の入口ガス温度を監視することにより、空気予熱器内での異常燃焼を防ぐ。
4:エコノマイザの前に蒸発管群がない場合は、燃焼ガスを通し始める前に、ボイラー水の一部をエコノマイザ入口に供給して、エコノマイザ内の水を循環させる。
5:エコノマイザの前に蒸発管群がある場合は、燃焼ガスを通し始めて、エコノマイザ内の水の温度が上昇し蒸気が発生しても、そのまま通水する。
R4後期-問12
平衡通風のボイラーを定格運転しているとき、ボイラー出口の排ガス温度が通常の温度より上昇する原因に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A ボイラー伝熱面の外面が、すすやスラグなどにより汚れている。
B ボイラー伝熱面の内面にスケールが付着している。
C バッフルやれんが積みの破損などにより、火炎又は燃焼ガスの短絡が発生している。
D ボイラー、過熱器、節炭器などから気水が漏れている。
1:A、B、C
2:A、C
3:B、C
4:B、C、D
5:B、D
R4後期-問13
重油焚きボイラーの燃焼の異常に関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:不完全燃焼による未燃ガスやすすが、燃焼室以外の燃焼ガス通路で燃焼することがあり、これを二次燃焼という。
2:二次燃焼を起こすと、ボイラーの燃焼状態が不完全となったり、耐火材、ケーシングなどを焼損させることがある。
3:燃焼中に、燃焼室又は煙道内で瞬間的な低周波のうなりを発する現象を「かまなり」という。
4:火炎が息づく原因としては、燃料油圧や油温の変動、燃料調整弁や風量調節用ダンパのハンチングなどが考えられる。
5:火炎の中に細かい火花が生じる原因としては、噴霧媒体の圧力が変動したり、通風が強すぎたりすることなどが考えられる。
R4後期-問14
ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いに関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:グランドパッキンシール式の軸については、運転中少量の水が連続して滴下する程度にパッキンが締まっていて、締め代が残っていることを確認する。
2:渦巻きポンプの起動は吐出し弁を全閉にして行うが、ディフューザポンプの起動では吐出し弁を全開にして行う。
3:運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
4:運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。
5:運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。
R4後期-問15
ボイラーのスートブローに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:スートブローは、主としてボイラー内面の水管伝熱面などに付着するスケールやすすの除去を目的として行う。
2:スートブローは、ボイラーの負荷が最大負荷の50~70%のところで行うのが良い。
3:スートブローの回数は、燃料の種類、負荷の程度、蒸気温度などに応じて決める。
4:スートブローの蒸気は、ドレンを切り、乾燥したものを用いる。
5:スートブロワが複数の場合は、原則として、燃焼ガスの流れに沿って上流側からスートブローを行う。
R4後期-問16
ボイラーの水位検出器の点検及び整備に関し、次のうち適切でないものはどれか。
1:1週間に1回以上、ボイラー水の水位を上下させることにより、水位検出器の作動状況を調べる。
2:電極式では、検出筒内の水のブローを1日に1回以上行い、水の純度の上昇による電気伝導率の低下を防ぐ。
3:電極式では、6か月に1回程度、検出筒を分解し内部掃除を行うとともに、電極棒を目の細かいサンドペーパーで磨く。
4:フロート式では、6か月に1回程度、フロート室を分解し、フロート室内のスラッジやスケールを除去するとともに、フロートの破れ、シャフトの曲がりなどがあれば補修を行う。
5:フロート式のマイクロスイッチ端子間の電気抵抗をテスターでチェックする場合、抵抗がスイッチが開のときは無限大で、閉のときは導通があることを確認する。
R4後期-問17
ボイラー休止中の保存法に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:乾燥保存法では、ボイラー内に蒸気や水が浸入しないように蒸気管及び給水管のフランジ継手部に閉止板を挟むなどにより、外部と確実に遮断する。
2:乾燥保存法では、活性アルミナ、シリカゲルなどの吸湿剤を容器に入れてボイラー内の数箇所に置き、ボイラーを密閉する。
3:満水保存法は、休止期間がおおむね3か月以内の場合に採用されるが、凍結するおそれがある場合には採用できない。
4:短期満水保存法では、ボイラーの停止後にボイラー水の分析を行い、pH、りん酸イオン濃度、亜硫酸イオン濃度などを標準値の下限に保持する。
5:長期満水保存法で1か月以上の期間保存する場合に、窒素でシールする方法を併用すると、エコノマイザや再熱器に対しても防食上有効である。
R4後期-問18
水質に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 水が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオン濃度と酸素イオン濃度により定まり、この程度を表示する方法として水素イオン指数(pH)が用いられる。
B マグネシウム硬度は、水中のマグネシウムイオンの量を、これに対応する炭酸マグネシウムの量に換算して試料1リットル中のmg数で表す。
C 濁度は、水中に懸濁する不純物によって水が濁る程度を示すもので、濁度1度は、精製水1リットルに白陶土(カオリン)10㎎を含む濁りである。
D 電気伝導率は、その単位がS/m(ジーメンス毎メートル)、mS/m、μS/mなどで表され、水溶液中のイオン濃度が高いほど大きくなる。
1:A、B、C
2:A、B
3:A、D
4:B、C、D
5:D
R4後期-問19
蒸発量が320kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15㎎/Lの給水を行い、20kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値に最も近いものは、次のうちどれか。
なお、Lはリットルである。
1:175㎎/L
2:195㎎/L
3:215㎎/L
4:235㎎/L
5:255㎎/L
R4後期-問20
ボイラーの腐食、劣化及び損傷に関し、次のうち適切なものはどれか。
1:圧壊は、円筒又は球体の部分が外側からの圧力に耐えきれずに急激に押しつぶされて裂ける現象で、火炎に触れる胴の底部などに生じる。
2:苛性ぜい化は、熱負荷の高いところの管壁とスケールとの間で水酸化ナトリウムの濃度が高くなりすぎたときに生じる局部腐食である。
3:ピッチングは、米粒から豆粒大の点状の腐食で、主として水に溶存する二酸化炭素の作用により生じる。
4:グルービングは、主としてボイラー水に溶存する酸素の作用により生じる細長く連続した溝状の腐食で、曲げ応力や溶接による応力が大きく作用する箇所に生じる。
5:膨出は、火炎が触れる部分などが腐食により強度が低下して、外側に膨れ出る現象である。
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