【保安】自動制御機器

自動制御機器は種類が多く、全て覚えようとすると大変です。1問のためにどれほど時間を使えるかがカギでしょう。

なお、当サイトに収録済みの平成21年度以降、フロート弁、四方切換弁の出題は確認できていないので割愛します(出たら追記します)。

直近10年の出題傾向

自動膨張弁 CT フロートSW 圧力調整弁 圧力SW 電磁弁 冷却水調整弁 断水リレー
令和6年度
令和5年度
令和4年度
令和3年度
令和2年度
令和元年度
平成30年度
平成29年度
平成28年度
平成27年度

※CT:キャピラリチューブ、フロートSW:フロートスイッチ、圧力SW:圧力スイッチ

※「◎」は同年度に2つ出題

出題傾向から絶対に外せないのは自動膨張弁と圧力調整弁で、キャピラリチューブ・圧力スイッチ、断水リレーが散発的に出ています。

フロートスイッチ・電磁弁・冷却水調整弁は、出ないことを祈るか、出ても過去問と同じことを祈るしかないですね(そろそろ出そうな気もしますが…)。

自動膨張弁

自動膨張弁には、温度自動膨張弁、電子膨張弁、定圧自動膨張弁とありますが、電子膨張弁の出題は確認できていません(令和6年度まで)。

  • 高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる
  • 冷凍負荷に応じて冷媒流量を調節して冷凍装置を効率よく運転する

「冷凍負荷に応じて冷媒流量を調節」というのは、蒸発器にちょうどよく冷媒を送るということです。

冷媒量が多すぎると未蒸発の冷媒液が圧縮機に戻りやすくなり、冷媒量が少なすぎると圧縮機に吸い込まれる冷媒蒸気の過熱度が大きくなります。

温度自動膨張弁

ズバリよく出る自動膨張弁のメインです。前述の2つの機能が、温度自動膨張弁で出ることもあります。

弁の均圧方式
  • 温度自動膨張弁には、内部均圧形と外部均圧形がある
  • 膨張弁から蒸発器出口までの圧力降下が大きい⇒外部均圧形を使用する

「圧力降下が大きい場合には、内部均圧形を使用」は誤りの典型パターンです。

レアケースとして、膨張弁のダイヤフラム(ダイアフラム)面への圧力の伝え方が平成24年度に出題されています。

【レアケース:平成24年度】

外部均圧形温度自動膨張弁は、蒸発器やディストリビュータの圧力降下が大きな場合に利用されるが、蒸発器出口の圧力を外部均圧管で、膨張弁のダイヤフラム面に伝える構造になっている。

⇒外部均圧形は、蒸発器出口の冷媒圧力を外部均圧管でダイヤフラム面に伝えるので、正しい記述です。内部均圧形は、蒸発器入口の冷媒圧力を内部均圧穴から直接ダイヤフラム面に伝える構造です。

感温筒

感温筒では、①どこに取り付けるか、②外れたらどうなるか、③チャージ冷媒が漏れたらどうなるかの出題が多いです。

  • 感温筒は蒸発器出口付近に取り付ける(冷却コイルの出口ヘッダや液のたまりやすい場所はNG)
  • 感温筒は均圧管より上流側に取り付ける(上流とは蒸発器側、下流とは圧縮機側)
  • 感温筒が外れると膨張弁は開く
  • 感温筒のチャージ冷媒が漏れると膨張弁は閉じる

誤りパターンとしては、「取付け場所は冷却コイル出口ヘッダが適切」「均圧管の下流側に取り付ける」「感温筒が外れると膨張弁は閉じる」「感温筒のチャージ冷媒が漏れると膨張弁は開く」など。

また、出題は少ないのですが、感温筒内に封入している冷媒のチャージ方式(液チャージ方式、ガスチャージ方式、クロスチャージ方式)についても触れておきます。

ただし、液チャージ方式が平成28年度に出題されただけで、他は確認できていません。

液チャージ方式
  • 封入冷媒が液と蒸気で存在し常に感温筒内は飽和圧力で保たれている
  • 感温筒温度が過度に上昇するとダイヤフラムが破損する
  • 弁本体の温度が感温筒温度より低くなっても正常に作動する
ガスチャージ方式
  • 封入冷媒量を少なく制限している
  • 一定温度以上ではすべて蒸気となりそれ以上圧力が上がらない(最高作動圧力)
  • ダイヤフラムを破壊しないが冷媒液がなくなると膨張弁は正常に作動しない
クロスチャージ方式
  • 冷凍装置の冷媒とは異なる特性の冷媒をチャージしている
  • 広範囲の蒸発温度に対しても設定した過熱度の変化が少ない
  • 低温用冷凍装置に適している
弁容量

弁容量の出題では、弁容量と圧力差の関係、弁容量と蒸発器容量の関係を理解しておけば十分でしょう。出題が少ないのでさらっと。

  • 弁容量は、弁開度と弁オリフィス口径が同じでも、凝縮圧力と蒸発圧力との圧力差で異なる
  • 蒸発器容量に対して弁容量が過大⇒ハンチングを生じやすくなる
  • 蒸発器容量に対して弁容量が過小⇒熱負荷が大きいときに冷媒流量が不足、過熱度が過大になる

定圧自動膨張弁

平成23年度以降は出題されていなかったのですが、令和5年度に出題されました。

  • 定圧自動膨張弁は、蒸発圧力(蒸発温度)がほぼ一定になるように冷媒流量を調節する
  • 設定値より蒸発圧力が高いと膨張弁が閉じ、低いと開く
  • 蒸発器出口側の過熱度は制御できないので、小形冷凍装置に用いられる

キャピラリチューブ

出題が多いわけではないですが、パターンは決まっているので出てほしい問題です。

  • 細い銅管を流れる冷媒の流動(流れ)抵抗による圧力降下を利用して、冷媒の絞り膨張を行う
  • 冷媒の流量の制御、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度の制御はできない

誤りパターンは、この2つの特徴を組み合わせて、「~冷媒の絞り膨張を行うとともに、冷媒の流量を制御し、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度の制御を行う」しか出ていません(令和6年度まで)。

フロートスイッチ

平成29年度に出題されました。出題が少なすぎて傾向は把握できないです。

【平成29年度(正)】

フロートスイッチは冷媒液面の上下の変化をフロートにより検出し、これを電気信号に変換するもので、満液式蒸発器内などの冷媒液面の位置を一定範囲内に保つように電磁弁を開閉させるためのスイッチとして用いられる。

圧力調整弁

自動膨張弁と同じく出題が多いので、必ず学習しておくべき機器。幸いにも誤りパターンは決まっています。

また、容量調整弁の出題は確認できませんが、蒸発圧力調整弁、吸入圧力調整弁、凝縮圧力調整弁がバランスよく出題されているため、どれも手を抜かずに覚えましょう。

なお、吸入圧力調整弁と凝縮圧力調整弁を1つの選択肢にした出題が令和5年度にありました。今後は、蒸発圧力調整弁を含め、組み合わせてくる可能性があるので要注意です。

蒸発圧力調整弁
  • 蒸発器出口配管に取り付ける
  • 蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも低くなることを防止する

上記2つの特徴以外の出題は確認できていません(令和6年度まで)。「蒸発器入口に取り付ける」「蒸発圧力が所定の蒸発圧力よりも高くなることを防止」は誤り

吸入圧力調整弁
  • 圧縮機吸込み配管に取り付ける
  • 弁出口側の圧縮機吸込み圧力が設定値よりも高くならないように調整する
  • 圧縮機駆動用電動機の過負荷を防止する

「圧縮機吸込み圧力が設定値よりも下がらないように調節」「弁入口側の圧縮機吸込み圧力」は誤り

凝縮圧力調整弁
  • 凝縮器出口配管に取り付ける
  • 凝縮圧力を所定の凝縮圧力に(下がらないように)保持する

「凝縮圧力が高くなり過ぎるのを防ぐために用いる」は誤り

圧力スイッチ

圧力スイッチは、圧縮機を過度の運転圧力から保護(保安用途)、給油ポンプを内蔵した圧縮機で異常油圧から保護(保安用途)、凝縮器の送風機の起動・停止(台数制御)などに使われますが、出題されているのは保安用途です。

ポイントは、高圧・油圧異常では「手動復帰式」のスイッチを使用することでしょうか。

高圧圧力スイッチ
  • 吐出し圧力が設定値より高圧になると接点が開く(圧縮機停止)
  • 原則として手動復帰式
低圧圧力スイッチ 吸込み圧力が設定値より低圧になると接点が開く(圧縮機停止)
高低圧圧力スイッチ
  • 高圧圧力スイッチと低圧圧力スイッチの一体型
  • 一般に、低圧側の圧力スイッチは自動復帰式
油圧保護圧力スイッチ
  • 異常油圧で圧縮機を停止
  • 手動復帰式

また、自動復帰式の低圧圧力スイッチを用いる場合、作動圧力差(ディファレンシャル)が小さいと、圧縮機の運転、停止を短い間隔で繰り返すハンチングが発生し、電動機焼損の原因になることがあります。

平成28年度に出題され、以降の出題はありませんが油断は禁物。

電磁弁

  • 主に直動式パイロット式がある
  • 電磁コイルに通電すると弁が開き電源を切ると弁が閉じる
  • 直動式は小口径に、パイロット式は大口径に用いる

パイロット式の出題は確認できていません(令和6年度まで)。電磁コイルに通電してプランジャ(鉄心)を吸引し、その力で弁を開く動作原理は、直動式でもパイロット式でも同じです。

したがって、「通電すると弁が閉じる」は誤りです。

ただし、直動式はプランジャの吸引で直接弁を開くのに対し、パイロット式はプランジャの吸引でパイロット弁を開き、流体の圧力差で主弁を開く違いがあります。

冷却水調整弁

平成26年度、平成27年度に連続して出題されました。

  • 水冷凝縮器の凝縮圧力を一定に保持し、冷却水量を調整する
  • 冷却水出口側に取り付け、制水弁、節水弁と呼ばれる
  • 圧力作動形、温度作動形がある

誤り出題がないので傾向はわかりませんが、何のために取り付けるのか理解していれば大丈夫そうです。

【平成26年度(正)】

冷却水調整弁は、水冷凝縮器の冷却水出口側に取り付け、水冷凝縮器の負荷変動があっても、凝縮圧力を一定圧力に保持するように作動し、冷却水量を調整する。

【平成27年度(正)】

冷却水調整弁は制水弁、節水弁とも呼ばれ、水冷凝縮器の負荷が変化したときに凝縮圧力を一定に保持できるように作動し、冷却水量を調節する。

断水リレー

令和に入って出やすくなった要注意機器です。

  • 水冷凝縮器や水冷却器で断水または循環水量の減少があると作動
  • 圧縮機を停止させたり警報を出したりして装置を保護する安全装置
  • 水の流れを検知する方法の違いで圧力式と流量式(フロースイッチ)がある

誤り出題は「冷却水ポンプを停止」しか確認できていません。令和3年度にフロースイッチ(フロートスイッチではない)の出題がありましたが正答でした。