【法令】危険時の措置等

例年、雑則など複数の規定を集めた出題が、少なくとも1問は用意されており、近年の傾向から危険時の措置等としてまとめました。内容は難しくないので落とさないよう確認しましょう。

  • 危険時の措置及び届出(法第36条、冷凍則第45条)
  • 火気等の制限(法第37条)
  • 異常時の帳簿記載(法第60条、冷凍則第65条)
  • 事故届(法第63条)

なお、他の範囲(変更工事や保安教育計画など)がこの設問に含まれる可能性はありますが、別途設問があるため説明していません。

危険時の措置及び届出

高圧ガスの製造施設が危険な状態になったときに取るべき措置(冷凍則第45条)と、届出(法第36条第2項)について出題されます。

  • 高圧ガスの製造施設が危険な状態になったときは、直ちに、災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない
  • 応急の措置をを講じることができないときは、従業者又は必要に応じ付近の住民に退避するよう警告しなければならない
  • 事態を発見した者は、直ちに、その旨を都道府県知事又は警察官、消防吏員若しくは消防団員若しくは海上保安官に届け出なければならない

応急の措置を講じるのは常識的にわかりますが、応急の措置を講じた場合でも届出が必要です。「応急の措置を講じれば届出の必要はない」は誤りです。

また、届出をするのは第一種製造者に限らず「発見した者」です。つまり、誰でもいいから危険を発見したら直ちに通報せよということですね。

火気等の制限

火気の取扱いと、発火しやすい物の携帯に関する制限です。

  • 何人も、事業所内において指定された場所では、火気を取り扱ってならない
  • 何人も、事業所内において指定された場所では、製造者の承諾を得ずに発火しやすい物を携帯して立ち入ってはならない

シンプルに考えてよく、いわゆる火気厳禁の場所では、火気の取扱いが禁じられ、発火しやすい物の携帯に承諾が必要です。「従業者を除き」「冷凍保安責任者を除き」の例外は誤りです。

異常時の帳簿記載

第一種製造者は、帳簿を備え、所定の事項について記載し、保存しなければなりませんが、製造施設に異常があった場合の記載が問われます。

  • 事業所ごとに、製造施設に異常があった年月日及びそれに対してとった措置を記載した帳簿を備えなければならない
  • 帳簿は、記載の日から10年間保存しなければならない

特に出題されやすいのは、帳簿の保存期間と起算日です。「5年間保存」「次回の保安検査の実施日まで保存」「製造開始の日から10年間保存」は誤りです。

事故届

次の場合は、都道府県知事又は警察官に届け出なければなりません。

  • 所有し、又は占有する高圧ガスについて災害が発生したとき
  • 所有し、又は占有する高圧ガス又は容器を喪失し、又は盗まれたとき

災害発生の届出は誤りで出題されたことがなく(令和5年度まで)、誤りとして出題されやすいのは容器の喪失・盗難です。充填容器・残ガス容器にかかわらず、容器であれば喪失・盗難を届け出なければならないので注意しましょう。