Home > H29前期問題と解答・解説 > 燃料及び燃焼(B1~B10)
燃料及び燃焼(B1~B10)
H29前期-B-問1
燃料の分析及び性質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を引火点という。
2:組成を示すときに、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
3:高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた発熱量で、真発熱量ともいい、実際に利用できる熱量に相当する。
4:断熱熱量計による燃料の発熱量は、水槽中に沈めた耐圧容器内で燃料を完全燃焼させたときの発生熱量を、水槽内の水の温度上昇から算出する。
5:高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水素及び水分の量で決まる。
H29前期-B-問2
ボイラー用気体燃料に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:気体燃料は、石炭や液体燃料に比べて成分中の炭素に対する水素の比率が高い。
2:ガス火炎は、油火炎に比べて輝度が高く、燃焼室での輝炎による放射伝熱量が多く、管群部での対流伝熱量が少ない。
3:天然ガスのうち乾性ガスは、可燃性成分のほとんどがメタンで、その発熱量は湿性ガスより小さい。
4:LNGは、液化前に脱硫・脱炭酸プロセスで精製するため、CO2、N2、H2Sなどの不純物を含まない。
5:LPGは、硫黄分がほとんどなく、空気より重く、その発熱量は天然ガスより大きい。
H29前期-B-問3
石炭に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:石炭に含まれる固定炭素は、石炭化度の進んだものほど多い。
2:石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど多い。
3:石炭に含まれる灰分が多くなると、燃焼に悪影響を及ぼす。
4:石炭の燃料比は、石炭化度の進んだものほど大きい。
5:石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい。
H29前期-B-問4
燃焼及び燃焼室に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:理論燃焼温度とは、基準温度において、燃料が理論空気量で完全燃焼し、外部への熱損失がないと仮定した場合に到達すると考えられる燃焼ガス温度をいう。
2:理論燃焼温度は、燃料の低発熱量及び燃焼ガスの平均定圧比熱に比例する。
3:単位時間における燃焼室の単位容積当たりに持ち込まれた熱量を、燃焼室熱負荷という。
4:微粉炭バーナを有する水管ボイラーの燃焼室熱負荷は、通常、油・ガスバーナを有する水管ボイラーのそれより小さい。
5:実際燃焼温度は、燃料の種類、空気比、燃焼効率などの条件で大きく変わるが、理論燃焼温度より高くなることはない。
H29前期-B-問5
硫黄16kgを完全燃焼させるときに必要な理論空気量の値に最も近いものは、1~5のうちどれか。
なお、硫黄が完全燃焼して二酸化硫黄になる反応式は次のとおりである。また、体積は、標準状態の体積とする。
S+O2→SO2
1:22.4m3
2:35.6m3
3:53.3m3
4:106.7m3
5:213.3m3
H29前期-B-問6
液体燃料の供給装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:常温で流動性の悪い燃料油をストレージタンクに貯蔵する場合は、タンク底面にコイル状の蒸気ヒータを装備して加熱する。
2:サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするもので、フロート式の液面調節器が設けられる。
3:噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するときに必要な圧力まで昇圧して供給するもので、ギアポンプ又はスクリューポンプが多く用いられる。
4:噴燃ポンプには、吐出し圧力の過昇を防止するため、吐出し側と吸込み側の間に逃がし弁が設けられる。
5:主油加熱器は、噴燃ポンプの吸込み側に設けられ、バーナの構造に合った粘度になるように燃料油を加熱する。
H29前期-B-問7
石炭の燃焼装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:散布式ストーカでは、散布機により大粒径の石炭は近くに、小粒径の石炭は遠方に散布されるが、火格子は後部(遠方)から前部(近く)に移動するので、大粒径の石炭に多くの燃焼時間が与えられる。
2:バブリング形流動層燃焼装置は、水冷壁で囲まれた燃焼室、底部の風箱及び空気分散板から成っている。
3:直接式微粉炭供給方式は、微粉炭機が故障するとボイラーの運転に影響を与えるので、油、ガスなどのバックアップ燃料を考慮する必要がある。
4:貯蔵式微粉炭供給方式は、微粉炭機で粉砕された微粉炭をいったん貯槽に集めた後、バーナに送るもので、バーナの負荷が変動しても微粉炭機を最高効率で運転できる。
5:微粉炭バーナは、一般に微粉炭を一次空気と予混合して炉内に噴出させ、二次空気をバーナの周囲から噴出させるものである。
H29前期-B-問8
ボイラーの通風に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:外気の密度をpa(kg/m3)、煙突内ガスの密度をpb(kg/m3)、煙突の高さをH(m)、重力加速度をg(m/S2)とすれば、煙突の理論通風力Z(Pa)は、Z=(pa-pb)gHで求められる。
2:人工通風は、自然通風に比べ、ボイラーなどの通風抵抗を小さくし、管群での燃焼ガス速度を下げることができるので、伝熱特性が向上する。
3:押込通風は、フアンを用いて燃焼用空気を大気圧より高い圧力として炉内に押し込むもので、一般に常温の空気を取り扱い、所要動力が小さいので広く用いられている。
4:誘引通風は、煙道又は煙突入口に設けたフアンによって燃焼ガスを吸い出し煙突に放出するもので、ガス中の腐食性物質によってフアンが損傷しやすい。
5:平衡通風は、押込通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する。
H29前期-B-問9
ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:排ガス中のSOxは、大部分がSO2である。
2:排ガス中のNOxは、大部分がNOである。
3:燃焼により発生するNOxには、サーマルNOxとフューエルNOxがある。
4:ばいじんは、慢性気管支炎の発症に大きな影響を与える。
5:ダストは、燃料の燃焼により分解した炭素が遊離炭素として残存したものである。
H29前期-B-問10
重油燃焼ボイラーの低温腐食に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:軟鋼は、濃硫酸には耐えるが、希硫酸には激しく侵され腐食する。
2:低空気比燃焼は、SO2からSO3の転換を抑制して燃焼ガスの露点を下げるので、低温腐食の抑制に効果がある。
3:エコノマイザの低温腐食防止対策として、給水加熱器の使用などにより給水温度を高める方法がある。
4:空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器で予熱された空気の一部をバイパスさせて、入口ガス温度を上昇させる方法がある。
5:空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器の伝熱板の材料に、比較的耐食性の良いセラミックスやエナメル被覆鋼を使用する方法がある。
Home > H29前期問題と解答・解説 > 燃料及び燃焼(B1~B10)