Kさん(72歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)である。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしているが、いつも「夫に迷惑をかけて申し訳ない」と言っている。ある日、面会に来た夫に対して、「いつもお世話様です」と挨拶しながら、誰なのか分からないで不安そうな様子であった。
Kさんへの介護福祉職の最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1:「誰でしょうか、覚えていますか」
2:「顔は覚えているけど、名前を忘れたのですね」
3:「頑張って思い出してみましょう」
4:「ご主人ですよ。来てもらってよかったですね」
5:「迷惑をかけて申し訳ないと伝えましょう」
答:4
1:誤り。「誰でしょうか、覚えていますか」というような問いかけは、Kさんをより不安にさせてしまうため不適切である。
2:誤り。「顔は覚えているけど、名前を忘れたのですね」と思い出せないことを指摘することは、Kさんにも夫にも配慮を欠いた対応であり不適切である。
3:誤り。「頑張って思い出してみましょう」と認知症の人に無理に思い出させようとすることは不適切である。
4:正しい。「ご主人ですよ。来てもらってよかったですね」と夫であることを伝えて安心させることが最も適切な対応である。
5:誤り。「迷惑をかけて申し訳ないと伝えましょう」と、夫のことを思い出せていないのに誤らせることは不適切である。