[事例(問題67と問題68で共通)]
Sさん(65歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症として、右片麻痺があり、認知症(dementia)がある。普段の体温は36度、血圧は140/80mmHG程度で安定している。認知症(dementia)の症状に波があり、良い時と悪い時がはっきりしている。ろれつが回らず言葉がはっきりしない、ちょっとしたことで泣いたり、急に怒り出したりするときもある。
上着は自分で着ることができるが、ズボンの上げ下げに時間がかかる。トイレに行きたいとたびたび訴えるが、間に合わずに漏らしてしまうこともある。膀胱・尿道に疾患や障害はない。便秘のため座薬が処方されているが、本人は嫌がっている。また、下着が汚れることを気にして、水分をあまりとろうとしない。
介護目標として、「便秘が改善する」ことを掲げた。
介護目標に対する支援方法の記述として、適切なものを1つ選びなさい。
1:緩下剤の服用を促す。
2:水分を多めに摂取する。
3:朝食後、トイレで便座に座る。
4:ストレッチ体操を一部介助する。
5:朝食前に、腹部を10~20回、時計回りにマッサージする。
答:5
1:誤り。介護職が緩下剤の服用を促すことは適切でない。
2:誤り。Sさんは下着が汚れることを気にして、水分をあまりとろうとしない。このため、水分を多めに摂取させることが最も適切とはいえない。
3:誤り。朝食後、トイレで便座に座ることが、便秘の改善に最も有効とはいえない。
4:誤り。ストレッチ体操は、右片麻痺のあるSさんに最も適切とはいえない。
5:正しい。朝食前に、腹部を10~20回、時計回りにマッサージすることは、Sさんにとって最も有効な対応である。