[事例(問題37と問題38で共通)]
Fさん(80歳、女性)は、2週間前に、リハビリテーション病院から介護老人保健施設に入所した。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のため、構音障害と嚥下障害がある。また、よだれが流れて衣服が濡れてしまうことが多い。食事は、とろみをつけた刻み食を1人で摂取できるが、むせることが多い。介護職がFさんに「何を食べたいですか」と尋ねると、「おいうをあえあい」(「お肉を食べたい」の意味)という不明瞭な発話が返ってきた。
Fさんの食事場面でのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1:絶えず話しかける。
2:メニューを説明する程度の声かけにとどめる。
3:急いで飲み込むように促す。
4:今までで、いちばん思い出に残る食事は何かを聞く。
5:一口ごとに、必ず水を飲むように促す。
答:2
1:誤り。Fさんには嚥下障害があり、絶えず話しかけることは誤嚥の危険性が増すため適切ではない。
2:正しい。構音障害と嚥下障害のあるFさんには、メニューを説明する程度の声かけにとどめることで、マイペースで食事をとることができる
3:誤り。急いで飲み込むように促すことは、誤嚥の危険性が増すため適切ではない。
4:誤り。構音障害と嚥下障害のあるFさんには、メニューを説明する程度の声かけにとどめることで、マイペースで食事をとることができる。
5:誤り。水分の摂取は必要であるが、一口ごとに水を飲むことは過剰である。