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第24回-問題112

総合問題2
[事例(問題112から問題114まで共通)]
Lさん(24歳、男性)は、小さい頃からスポーツ好きだった。特に球技が得意で、学生時代はサッカー選手だった。2年前に大学を卒業後、就職して2か月後に交通事故で胸髄損傷(thoracic spinal cord injury)を負い、両下肢が不全麻痺の状態になった。尿意はなかったが自己導尿が可能となっていた。障害手帳を取得したものの、家に引きこもって家族の介護を受けていた。1年前よりようやく生活介護事業所に通所できるようになった。通所当初から障害を受容できず、何事にも消極的で、他の利用者や職員とほとんどコミュニケーションをとらなかった。生活面も車いすへの移乗や移動は職員任せであった。時折、外を見ながら、涙ぐんでいるときがあった。ある日、送迎時の車の中で、Lさんは職員に「なぜこんなことになったのか、僕には仕事も、スポーツも、結婚も、もうない」とぽつりと言った。

送迎に付き添う介護職が、Lさんにかける言葉として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1:「頑張ればきっとよくなりますよ」

2:「リハビリをして仕事に復帰しましょう」

3:「サッカーの試合を観戦しに行きませんか」

4:「今の思いをゆっくり話してみませんか」

5:「学生時代の友人に会ってみませんか」

答:4

1:誤り。「頑張ればきっとよくなりますよ」という根拠のない励ましは適切とはいえない。Lさんの言葉に共感的な対応を行う必要がある。

2:誤り。リハビリでどの程度よくなるかも分からないのに「リハビリをして仕事に復帰しましょう」という励ましは適切とはいえない。Lさんの言葉に共感的な対応を行う必要がある。

3:誤り。Lさんはまだ障害を受容できておらず、できなくなってしまったサッカーを観戦することは辛いことだと思われる。

4:正しい。今までLさんは他の利用者や職員とほとんどコミュニケーションをとってこなかったので、この機会にゆっくりと話を聴き共感的な対応を行うことが適切である。

5:誤り。Lさんはまだ障害を受容できておらず、健康だった頃の友人に会うことは辛いことだと思われる。

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