[事例(問題115から問題117まで共通)]
右利きの女性、Jさん(38歳)は、1年前に交通事故で脳の右半球に損傷を負い、重度の片麻痺と高次脳機能障害と診断を受けた。3か月前より、身体障害者更生施設に入所している。日中活動では立位安定の機能訓練が行われている。食事は自立しているが、排泄、入浴などの日常生活には介助が必要である。
午後は、自分で車いすを操作し、花壇の見えるところまで室内を移動している。休日には夫と娘が面会に来ており、一緒に野外の散歩を楽しんでいる。
花壇を見ていたJさんが車いすから立とうとして転倒した。転倒防止に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。
1:立位動作の支援は訓練時に限定する。
2:車いすにY字帯をつける。
3:車いすに離床センサーをつける。
4:日々の散歩の付き添いは家族に任せる。
5:車いすの使用時間を限定する。
答:3
1:誤り。立位動作の支援は訓練時に限定せずに行う。
2:誤り。車いすにY字帯をつけることは身体拘束に当たり適切ではない。
3:正しい。車いすに離床センサーをつけることは、立ち上がったときにすぐ介護従事者が知ることができるので転倒防止に効果がある。
4:誤り。散歩の付き添いは家族だけに任せず、家族がいないときは介護従事者が付き添う。
5:誤り。車いすの使用時間を限定することは、活動エリアを狭めてしまうため適切ではない。
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