Fさん(82歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症による右片麻痺と運動性失語の状態で、介護老人福祉施設へ入所した。自分の意思は、顔の表情やうなずきなどの動作や左手を使って伝えることができる。2時間ほどは車いすで座位を保つことができる。
食事の際は、自分でご飯やおかずをスプーンに乗せたり汁物を口に運ぶことは困難であるが、スプーンに乗った食べ物を左手で口まで運んで食べることはできる。
食事場面における介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1:食事を居室のベッド上でとるように促す。
2:メニューの説明は不要である。
3:左手で食べたいものを示すように促す。
4:ご飯とおかずを混ぜてスプーンに乗せて口に運ぶ。
5:好みの食べ物は最後に食べるように促す。
答:3
1:誤り。Fさんは車いすで座位を保つことができるため、食事はできるだけ座位でとるようにする。
2:誤り。Fさんは聴覚に問題がないため、メニューの説明は必要である。
3:正しい。Fさんは左手を使うことができるため、左手で食べたいものを示すように促すことが適切である。
4:誤り。ご飯とおかずを混ぜる必要はなく、不適切である。またFさんはスプーンに乗った食べ物を左手で口まで運んで食べることができるため、口まで運ぶ介助は必要がない。
5:誤り。食べる順番はFさんの意思を尊重する。好みの食べ物を最後に食べるように促す必要はない。