Aさん(82歳、女性)は、アルバイト店員の息子(56歳)と二人暮らしである。Aさんは、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。現在、要介護2と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは、身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり、一人で外出して道が分からなくなり、何度も警察に保護されている。
訪問介護事業所が、アドボカシー(advocacy)の視点からAさんと息子を支援する場合の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1:自分の食事も作ってほしいという息子の要望に、対応できないと断る。
2:息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。
3:Aさんと息子に相談の上、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。
4:息子に、市内に認知症家族の会があることを知らせる。
5:町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。
答:3
1:誤り。自分の食事も作ってほしいという息子の要望は、アドボカシーには該当しない。
2:誤り。Aさんが部屋から出られないように施錠することは身体拘束に当たり、アドボカシーにも反している。
3:正しい。Aさんと息子に相談の上で、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかけることは、アドボカシーの観点から適切な支援である。
4:誤り。息子に認知症家族の会があることを知らせることは、アドボカシーの視点に基づいた支援とはいえない。
5:誤り。回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせることは、個人情報保護の観点から不適切である。