Bさん(82歳、男性)は、大企業の営業部長を務めていたが、退職した後も会社のことをいつも気にしている。足が少し不自由なので長男が同居を勧めているが、世話になりたくないと拒否している。Bさんは、自分の庭で野菜を作っている。地域との交流はほとんどない。
ライチャード(Reichard,S.)の老年期における人格の5類型のうち、Bさんに相当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1:円熟型
2:安楽椅子(ロッキングチェアー)型
3:装甲(自己防衛)型
4:憤慨(外罰)型
5:自責(内罰)型
答:3
1:誤り。円熟型は、過去を後悔することなく未来に希望をもち、積極的に社会参加を行うタイプである。Bさんの人格特性には相当しない。
2:誤り。安楽椅子(ロッキングチェアー)型は、現実を受け入れて満足するが、他人に依存しやすいタイプである。Bさんの人格特性には相当しない。
3:正しい。装甲(自己防衛)型は、老いに対する不安を抑圧し、若い時の生活水準を維持しようとするタイプである。Bさんは退職した後も会社のことを気にし、長男との同居を拒否し、自分の庭で野菜を作っているため、装甲(自己防衛)型に相当すると考えられる。
4:誤り。憤慨(外罰)型は、老いに対する不満が他者への攻撃となってあらわれるタイプである。Bさんの人格特性には相当しない。
5:誤り。自責(内罰)型は、自分の人生を失敗だったと考えてふさぎこむタイプである。Bさんの人格特性には相当しない。