[事例(問題38から問題40まで共通)]
Nさん(72歳、女性、要介護3)は、29歳で結婚、30歳で息子を出産直後に、夫を交通事故で亡くした。その後、市営住宅に移り息子と二人暮らしをしながら、工場で部品製造のパートで生計を立てた。そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった。網膜色素変性症のため、50歳ごろから次第に視力低下が進み、60歳で全盲になり、仕事を辞めた。3年前、食欲不振、脱水の症状で体調を崩し、その後ぼんやりすることが多くなり、火の後始末や身の回りのことができなくなってきた。息子の縁談もまとまったが、「迷惑はかけられない」と1年前、養護盲老人ホームに入所。その後次第に息子の名前も分からなくなってきた。息子の訪問も疎遠になり、Nさんは家へ帰りたがっている。最近夜間、一人でぶつぶつ言いながら、つたい歩きをするようになった。
次のうち、Nさんの状況から考えられるものとして最も適切なものを一つ選びなさい。
1:感染症
2:認知症
3:糖尿病
4:パーキンソン病
5:胃潰瘍
答:2
1:誤り。事例からは感染症の症状は見られない。
2:正しい。息子の名前も分からなくなり、夜間に一人でぶつぶつ言いながらつたい歩きをしていることから、Nさんは認知症と考えられる。
3:誤り。事例からは糖尿病の症状は見られない。
4:誤り。事例からはパーキンソン病の症状は見られない。
5:誤り。事例からは胃潰瘍の症状は見られない。