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労働衛生(有害業務)
H23前期-問11
化学物質等安全データシート(MSDS)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:MSDSは、健康に対する有害性を有する化学物質等が対象とされており、爆発性等の危険性を有する物質は対象とされていない。
2:MSDSの対象となる化学物質等を容器に入れて譲渡し、又は提供する場合、MSDSを交付すれば、容器には名称のみを表示すればよい。
3:MSDSは、すべての作業環境で生じる状況を網羅する情報として提供されるものではないが、職場における化学物質管理のための重要な情報の一つである。
4:MSDSに記載する「人体に及ぼす作用」としての化学物質の有害性は、「急性毒性」、「慢性毒性」及び「発がん性」に限られている。
5:MSDSは、化学物質に関する重要な情報が記載されている文書なので、厳重に保管し、閲覧できる者を限定する。
H23前期-問12
化学物質の吸収、排泄及び蓄積に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:作業環境中の化学物質が体内に吸収される経路としては、吸入による経路を最も重要視する必要がある。
2:ある種の有機溶剤では、皮膚からの吸収は、無視できない程度に達することがある。
3:体内に吸収された化学物質の多くは、肝臓などで分解、抱合など多様な化学変化を受け、代謝物となって排泄される。
4:化学物質の体内への吸収が長期間に及ぶと、ある時点で、吸収量と排泄量が等しくなり、それ以上吸収し続けても体内の濃度は上昇しなくなる平衡状態になる。
5:化学物質の体内への吸収が止まり、体外へ排泄されていくとき、体内濃度が最初の1/2に減少するまでに要する時間を物理的半減期という。
H23前期-問13
有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:有機溶剤は、水溶性と脂溶性をともに有し、その蒸気は空気より軽い。
2:有機溶剤は、揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない。
3:キシレンのばく露の生物学的モニタリングの指標としての尿中代謝物は、メチル馬尿酸である。
4:メタノールによる障害として顕著なものは、網膜細動脈瘤を伴う脳血管障害である。
5:二硫化炭素による障害として顕著なものは、再生不良性貧血などの造血器障害である。
H23前期-問14
作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:騒音レベルの測定は、通常、騒音計の周波数補正回路のA特性で行い、その大きさはdB(A)で表示する。
2:騒音性難聴は、初期には気付かないことが多く、また、治りにくいという特徴がある。
3:騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与え、交感神経の活動の亢進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。
4:騒音性難聴では、通常、会話音域より高い音域から聴力低下が始まる。
5:等価騒音レベルは、変動する騒音のある時間範囲について、250、500、1000、2000、4000及び8000Hzの音圧レベルの平均値として表した量である。
H23前期-問15
熱中症の一つとされる障害で、暑熱な環境下で多量に発汗したとき、水分だけが補給され血液中の塩分濃度が低下した場合に生じるものは、次のうちどれか。
1:熱射病
2:熱虚脱
3:熱痙攣
4:熱失神
5:熱疲労
H23前期-問16
金属による中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:鉛中毒では、貧血、伸筋麻痺、腹部の疝痛などの症状がみられる。
2:ベリリウム中毒では、溶血性貧血、尿の赤色化などの症状がみられる。
3:マンガン中毒では、指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫などがみられる。
4:クロム中毒では、低分子蛋白尿、歯への黄色の色素沈着、視野狭窄などの症状がみられる。
5:カドミウム中毒では、筋のこわばり、歩行困難などの症状がみられる。
H23前期-問17
化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:酢酸メチルによる健康障害では、視力低下、視野狭窄などがみられる。
2:ノルマルヘキサンによる健康障害では、頭痛、めまいや多発性神経炎などがみられる。
3:ジメチルホルムアミドによる健康障害では、頭痛、めまいや肝機能障害などがみられる。
4:弗化水素による健康障害では、貧血、溶血やメトヘモグロビン形成によるチアノーゼなどがみられる。
5:ベンゼンによる健康障害では、再生不良性貧血や白血病などがみられる。
H23前期-問18
局所排気装置のフードの型式の名称とその模式図の組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
1:外付け式グリッド型
2:囲い式ドラフトチェンバー型
3:レシーバー式キャノピー型
4:外付け式ルーバー型
5:外付け式スロット型
H23前期-問19
呼吸用保護具に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:防毒マスクの吸収缶の色は、一酸化炭素は黒色で、有機ガス用は赤色である。
2:二種類以上の有毒ガスが混在している場合には、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用する。
3:型式検定合格標章のある防じんマスクでも、ヒュームのような微細な粒子に対しては無効である。
4:防じんマスクの手入れの際、ろ過材に付着した粉じんは圧縮空気で吹き飛ばすか、ろ過材を強くたたいて払い落として除去する。
5:防じんマスクは作業に適したものを選択し、顔面とマスクの面体の高い密着性が要求される有害性の高い物質を取り扱う作業については、取替え式のものを選ぶ。
H23前期-問20
特殊健康診断における生物学的モニタリングに関する次の文中の[ ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「有害物の[ A ]を把握する検査として、代表的なものが生物学的モニタリングである。有機溶剤ばく露の場合の生物学的半減期は[ B ]ので、有機溶剤等健康診断における[ C ]の量の検査においては、採尿の時刻を厳重にチェックする必要がある。」
1:A=高濃度ばく露 B=長い C=有機溶剤代謝物
2:A=体内摂取量 B=短い C=有機溶剤代謝物
3:A=高濃度ばく露 B=長い C=尿中蛋白
4:A=体内摂取量 B=長い C=尿中蛋白
5:A=体内摂取量 B=短い C=血清トリグリセライド
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