クレーンの三相誘導電動機の速度制御方式などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。
2:電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。
3:かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。
4:巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時に緩始動ができる。
5:かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。
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答:4
覚えよう!
- 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。
- 電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。
- かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。
- 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するものである。
- かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。
ポイント
三相誘導電動機の速度制御問題は、専門用語が多く難問の部類です。キーワード別にまとめてみました。
- かご形:全電圧始動
- 全体としての出現頻度は少ないが、令和6年前期、令和5年前期・後期と続けて出題された。電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させること、巻上装置で用いることが重要ポイント。
- かご形:緩始動
- 出現頻度は少ない。電気的な方法(抵抗器、リアクトル、サイリスターなどの挿入)と、機械的な方法(流体継手、粉体継手など)があり、どちらも出ている。
- かご形:極数変換
- 出現頻度は少ない。速度比2:1の2巻線が多く使われていることを覚えればOK。
- かご形:インバーター制御
- 電源の周波数や電圧を変えて高精度に速度制御する方式で、電流(値)を変えるとする誤りが多い。以前は「VVVF制御」と呼ばれるとした問題もよく出ていた。
- 巻線形:二次抵抗制御
- 抵抗器の接続先である回転子を「固定子」とした誤りパターンが多数(今回もそのパターン)。始動時は緩始動ができる。レアケースとして、巻上げの速度制御はできるが、巻下げの速度制御はできない出題が過去にあった。
- 巻線形:渦電流ブレーキ制御
- 電気的なブレーキのため、消耗部分がない&制御性が優れている利点の出題がほとんど。自動制御と非自動制御があることもたまに出ている。
- 巻線形:電動油圧押上機ブレーキ制御
- ポイントは3つあり、①電動機の回転速度が遅くなる⇒制動力が小さくなる、②90kW程度以下の電動機、③高頻度の使用には向かない(機械的な摩擦力を利用するのでブレーキ力が低下する)。
- 巻線形:サイリスター一次電圧制御
- 極めて安定した速度が得られる。「電動機の一次側に加える電圧を変えると同じ負荷に対して回転数が変わる性質」「電動機の回転数を検出して指定された速度と比較しながら制御」のどちらかでの出題がほとんど。
- 巻線形:ダイナミックブレーキ制御
- 電動機の一次側を交流電源から切り離し、直流電源を接続して直流励磁を加えることにより制動力を得る方式。つり荷が「軽い」場合には低速での巻下げができないのが最重要ポイント。つり荷が「重い」場合とする誤りがよく出る。