貨物自動車運送事業者の運行管理者は複数の荷主からの運送依頼を受けて、下のとおり4日にわたる2人乗務による運行計画を立てた。この2人乗務を必要とした根拠についての次の1~3の下線部の運行管理者の判断について、正しいものをすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、<4日にわたる運行計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1:1人乗務とした場合、1日についての最大拘束時間及び休息期間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
2:1人乗務とした場合、すべての日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
3:1人乗務とした場合、連続運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
答:3
1:誤り。1人乗務とした場合でも、1日についての最大拘束時間(16時間以内)及び休息期間(8時間以上)は改善基準告示に違反しない。
<4日間の拘束時間及び休息時間>
1日目 拘束時間 14時間+2時間=16時間休息時間 4時間+4時間=8時間
2日目 拘束時間 13時間
休息時間 7時間+4時間=11時間
3日目 拘束時間 13時間
休息時間 7時間+5時間=12時間
4日目 拘束時間 17時間-3時間=14時間
※1日の拘束時間は、始業時間から24時間以内にある拘束時間のことをいう。
※フェリー乗船時間(乗船時刻から下船時刻まで)については、原則として、休息期間として取り扱う。
2:誤り。1人乗務とした場合でも、すべての日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間(9時間以内)は改善基準告示に違反しない。
<4日間の運転時間及び平均運転時間>
1日目の運転時間 10時間2日目の運転時間 9時間
3日目の運転時間 9時間
4日目の運転時間 10時間
1日目を特定日とした場合
前日と当日の運転時間の平均 (0時間+10時間)÷2=5時間
当日と翌日の運転時間の平均 (10時間+9時間)÷2=9.5時間2日目を特定日とした場合
前日と当日の運転時間の平均 (10時間+9時間)÷2=9.5時間
当日と翌日の運転時間の平均 (9時間+9時間)÷2=9時間3日目を特定日とした場合
前日と当日の運転時間の平均 (9時間+9時間)÷2=9時間
当日と翌日の運転時間の平均 (9時間+10時間)÷2=9.5時間4日目を特定日とした場合
前日と当日の運転時間の平均 (9時間+10時間)÷2=9.5時間
当日と翌日の運転時間の平均 (10時間+0時間)÷2=5時間
※「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超える場合に改善基準告示違反となる。
3:正しい。連続運転時間については、運転開始後4時間以内または4時間経過直後に30分以上運転を中断しなければならないと定められている。1日目の3回目の運転開始から4時間以内に運転を中断した時間が15分間しかないため、1人乗務とした場合に連続運転時間が改善基準告示に違反する。