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H30-1-29

荷主から貨物自動車運送事業者に対し、往路と復路において、それぞれ荷積みと荷下ろしを行うよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す「当日の運行計画」を立てた。
この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画」及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

「当日の運行計画」
往路
○A営業所を7時30分に出庫し、20キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
○B地点において30分間の荷積みを行う。
○B地点から150キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速45キロメートルで走行して、C地点に12時00分に到着する。
○C地点において20分間の荷下ろし後、1時間の休憩をとる。
復路
○休憩後、C地点を13時20分に出発し、荷積みのため30キロメートル離れたD地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
○D地点において30分間の荷積みを行う。
○荷下ろしのため90キロメートル離れたE地点まで平均時速30キロメートルで走行し、E地点にて20分間の荷下ろしを行う。
○荷下ろし後、帰庫のためE地点から40キロメートル離れたA営業所まで平均時速30キロメートルで走行し、A営業所には19時30分に帰庫する。

ア B地点とC地点の間の運転時間について、次の1~3の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。

1:2時間40分

2:3時間20分

3:4時間

イ 当該運転者の前日の運転時間は9時間であり、また、当該運転者の翌日の運転時間は8時間50分と予定した。当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。

1:違反している

2:違反していない

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「改善基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。

1:違反している

2:違反していない

答:ア=2 イ=1 ウ=1

ア:2

時間は、距離÷速さで求めることができる。

B地点とC地点の間の距離は150kmで、平均時速は45km/hである。

よって、150km÷45km/h=3.33h=3時間と1/3時間=3時間20分となる。

イ:1

改善基準によれば、2日を平均した1日当たりの運転時間は9時間以内とされている。この場合、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超える場合に改善基準違反となる。

まず当日の運転時間を求める。

出庫から帰庫までの拘束時間 19時30分-7時30分=12時間

運転以外の時間 30分+20分+1時間+30分+20分=2時間40分

よって、当日の運転時間は、12時間-2時間40分=9時間20分となる。

前日の運転時間は9時間であり、また、当該運転者の翌日の運転時間は8時間50分と予定されている。

前日と当日の運転時間の平均 (9時間+9時間20分)÷2=9時間10分

当日と翌日の運転時間の平均 (9時間20分+8時間50分)÷2=9時間5分

「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えているため、改善基準違反となる

ウ:1

改善基準によれば、運転開始後4時間以内または4時間経過直後に30分以上運転を中断しなければならない。ただし、運転開始後4時間以内に運転を中断する場合は、少なくとも1回につき10分以上とした上で分割することができるとされている。

運転時間と中断時間
 A営業所~B地点 40分(運転)
 B地点 30分(荷積み)
 B地点~C地点 3時間20分(運転)
 C地点 20分(荷下ろし)+1時間(休憩)
 C地点~D地点 1時間(運転)
 D地点 30分(荷積み)
 D地点~E地点 3時間(運転)
 E地点 20分(荷下ろし)
 E地点~A営業所 1時間20分(運転)

D地点~A営業所までの運転時間(4時間20分)の間に、中断時間が20分しかとれておらず、改善基準違反となる

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