Home > 実務上の知識及び能力 > H29-2-30

H29-2-30

貨物自動車運送事業者において、次の概要のような事故が発生し、運行管理者はこの事故原因を下記の【事故の原因分析】のとおり「なぜなぜ分析」を行った。この分析結果をもとに導かれた「事故の原因」に基づき、社内の同種事故を防止するためにより直接的に有効な再発防止策として表中のA、B、Cに当てはまるものを、【考えられる再発防止策】の中からそれぞれいずれか1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、【事故概要】及び【事故の原因分析】に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

【事故概要】
貨物自動車運送事業者の運転者は、青信号で交差点に進入し、左折しようとしたところ、電柱の影から飛び出してきた歩行者と衝突し、重傷を負わせた。
・事故発生:21時
・天候:雨
・運転者は、不慣れな車高の高い新型トラックを運転していた。
・運転者は、新人でこの地域の地理に慣れておらず、地図を確認しながら運転していた。
・運転者は、混雑のため、指示された運行時間に大幅に遅れて走行していた。
・歩行者は、雨のため傘をさしていた。


【考えられる再発防止策】

A
1:事業用自動車の運転者は、多様な地理的・気象的状況下での運転を余儀なくされることから、運行経路、交通状況等を事前に把握させるとともに、それらの状況下における運転方法について、新人教育を含め適切に指導する。

2:事業用自動車の車高、視野、死角、内輪差及び制動距離等は車両ごとに異なることから、これらを十分に把握せずに運転したことに起因する交通事故やヒヤリ・ハットの事例を用いて、新人の運転者に対し、自動車の構造上の特性を把握することを含め安全運転について適切に指導する。

B
1:運行中の遅延、トラブル等の発生を考慮した対応マニュアルを作成し、これを確実に実施できる体制を整備するとともに、運転者等に周知・徹底する。

2:常に「安全運転」が最優先であることをあらためて運転者に徹底する。

C
1:事故惹起運転者に対し、適性診断結果を活用して、本人の運転上の弱点について助言・指導を徹底することにより、安全運転のための基本動作を励行させる。

2:適性診断結果の評価の低い事故惹起運転者については、特別な指導行うことなく、当分の間運転業務から外して、他の業務を行わせる。

答:A=1 B=1 C=1

A
原因分析によって、「地図を確認しながら運転していた」、「新人で地域の地理に不慣れで知識が十分でなかった」ことが事故原因の一つとしてあげられた。
よって、選択肢1の、「事業用自動車の運転者は、多様な地理的・気象的状況下での運転を余儀なくされることから、運行経路、交通状況等を事前に把握させるとともに、それらの状況下における運転方法について、新人教育を含め適切に指導すること」が再発防止策として有効である。

B
原因分析によって、「到着時間に遅れていることを気にかけていた」、「到着が遅れた場合の対応手順が定められていなかった」ことが事故原因の一つとしてあげられた。
よって、選択肢1の「運行中の遅延、トラブル等の発生を考慮した対応マニュアルを作成し、これを確実に実施できる体制を整備するとともに、運転者等に周知・徹底する」ことが再発防止策として有効である。

C
原因分析によって、「軽微な事故を過去に起こし適性診断を受診させていたが診断結果を活用していなかった」ことが事故原因の一つとしてあげられた。
よって選択肢1の「事故惹起運転者に対し、適性診断結果を活用して、本人の運転上の弱点について助言・指導を徹底することにより、安全運転のための基本動作を励行させる」ことが再発防止策として有効である。

スポンサーリンク

Home > 実務上の知識及び能力 > H29-2-30

Page Top

© 2011-2023 過去問.com