Aさん(80歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしである。糖尿病(diabetes mellitus)で通院していた。2年前、肺がん(lung cancer)が発見され、抗がん剤による治療を行っていたが、数か月前から効果が少なくなり中止した。骨転移(bone metastasis)による痛みがあり、麻薬性鎮痛剤を使用している。Aさんは、「できるだけ家で暮らしたい」と希望している。寝ていることが多いが、トイレには伝い歩きで行くことができる。食欲はなく、食事を残すことが多い。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんの日常生活について不安を訴えた。
妻への訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1:「家では心配なので、入院しましょう」
2:「ポータブルトイレにしましょう」
3:「麻薬は怖いので、増やさないようにしましょう」
4:「好きなものを食べてもらうようにしましょう」
5:「なるべく寝ているようにしましょう」
答:4
1:誤り。Aさんはできるだけ家で暮らしたいと希望しているため、入院を勧めるのは適切でない。
2:誤り。Aさんはトイレには伝い歩きで行くことができるため、ポータブルトイレを勧めるのは適切でない。
3:誤り。麻薬性鎮痛剤は医師の処方により用いられるものであり、訪問介護員が助言することは不適切である。
4:正しい。Aさんは食事を残すことが多いため、できるだけ好きなものを食べてもらい、食欲を促進することが大切である。
5:誤り。なるべく寝ているように勧めることは、身体機能の低下につながるため適切でない。