【関係法令】労働時間・休日関連

有害業務の労働時間延長制限

いわゆる「36協定」があっても、1日2時間を超えて労働時間を延長できない有害業務は間違えやすいです。

その理由として、該当する労働基準法令での有害業務と、労働安全衛生法令の規定が一部重複しており、労働安全衛生法令の規定(産業医の専任要件、健康診断、作業環境測定など)を思い出してしまうからだと考えられます。

1日2時間を超えて労働時間を延長できない有害業務は、坑内高熱・暑熱低温・寒冷有害放射線粉じん異常気圧振動重激騒音有害物粉じん・蒸気・ガスです。

まれに、延長できる有害業務が問われる出題もあります。問題は必ずよく読みましょう。

過去に出題された延長「できる」有害業務
病原体によって汚染された物を取り扱う業務(かなり出る
大部分の労働時間が立作業である業務(出やすい)
多湿(または湿潤)な場所における業務(出やすい)
VDT作業における受注、予約等の拘束型の業務(出やすい)
給湿を行う紡績又は織布の業務(出やすい)
鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務
腰部に負担のかかる立ち作業の業務
廃棄物の焼却又は清掃の業務
果菜の熟成をしているむろの内部における業務
穀物又は飼料の貯蔵のために使用している倉庫の内部における業務
ヘリウム、アルゴン等の不活性の気体を入れたことのあるタンクの内部における業務
著しい精神的緊張を伴う業務

※該当法令:労働基準法第36条第6項第1号、労働基準法施行規則第18条

労働時間等

範囲が広そうに思えて、選択肢はかなりパターン化されています。記憶定着して正解したい問題。

◎=よく出る、〇=出やすい、△=たまに出る

1日8時間を超える労働 誤:時間外労働の協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている
⇒正:変形労働時間制などの例外がある
事業場を異にする場合 誤:労働時間を通算しない
⇒正:労働時間を通算する
休憩時間 誤:労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも45分の休憩時間を与えなければならない
⇒正:少なくとも1時間
フレックスタイム制

正:清算期間は、3か月以内(誤:6か月以内)の期間に限られる

法改正に注意

古い過去問では、清算期間が3か月以内で誤りとなっていますが、法改正前は1か月以内だったためです。

機密の事務 正:所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されない
監視又は断続的労働 正:所轄労働基準監督署長の許可を受けたものについては、労働時間、休憩及び休日(誤:年次有給休暇)に関する規定は適用されない
※無条件ではないことに注意
監督又は管理の地位 正:所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されない
労働時間を算定し難い 正:原則として、所定労働時間労働を行ったものとみなす

※該当法令:労働基準法第32条の3、第34条、第38条、第38条の2、第41条

年次有給休暇

出題内容は、①年次有給休暇の日数、②年次有給休暇の法令全般の2つです。令和に入ってから年次有給休暇の日数しか出ていませんが、だからといって法令問題を軽視できません。

①年次有給休暇の日数

全労働日の8割以上出勤を前提として、週所定労働時間が30時間以上と30時間未満の出題があります。30時間未満の場合、週所定労働日数によって年次有給休暇日数は変わりますが、週所定労働日数4日しか出題されていない(令和5年後期まで)ので、週所定労働日数4日を覚えましょう。

継続勤務期間 週30時間以上 週30時間未満
週4日
6か月 10日 7日
1年6か月 11日 8日
2年6か月 12日 9日
3年6か月 14日 10日
4年6か月 16日 12日
5年6か月 18日 13日
6年6か月以降 20日 15日
②年次有給休暇の法令全般

幸いにも出やすい選択肢はパターン化していて覚えやすいです。年次有給休暇日数が選択肢に混ざる場合もあります。

育児休業又は介護休業 誤:出勤率の算定に当たっては、出勤しなかったものとして算出することができる(正:出勤したものとみなして算定する)
賃金 誤:原則として、最低賃金又は平均賃金の100分の60の額(正:平均賃金、通常の賃金又は労使協定に基づく健康保険法上の標準報酬日額相当額)の手当を支払わなければならない
請求権の消滅 誤:請求権は、1年間(正:2年間)行使しなければ時効によって消滅する
計画的付与 正:労使協定により休暇を与える時季に関する定めをした場合は、休暇のうち5日(誤:3日)を超える部分については、その定めにより休暇を与えることができる

※該当法令:労働基準法第39条、第115条