【労働生理】感覚と感覚器

感覚と感覚器の設問は、ほぼ毎回出題されていますが、出題内容は全範囲の総合問題、眼と視覚の単一問題、耳と聴覚のの単一問題に分かれます。

公表問題において、以前は総合問題ばかり出ていたところ、徐々に眼と視覚の単一問題が出るようになり、近年は耳と聴覚の単一問題がよく出るようになりました

総合問題 眼と視覚 耳と聴覚
令和5年 後期 前期
令和4年 後期 前期
令和3年 後期 前期
令和2年 後期 前期
平成31年/令和元年 後期 前期
平成30年 前・後期
平成29年 前・後期
平成28年 前期 後期
平成27年 後期 前期
平成26年 前期 後期

眼と視覚・耳と聴覚を除く問題

全範囲の総合問題で出題されますが、視覚・聴覚を除くと種類は多くないので、最近出やすい視覚・聴覚を完璧にしてからでもカバーできそうです。

◎=よく出る、〇=出やすい、△=たまに出る

嗅覚 嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である
嗅覚は、わずかな匂いでも感ずるが、同一臭気に対しては疲労しやすい(誤:疲労しにくい
皮膚感覚 皮膚感覚のうち、痛覚点(誤:温覚点)の密度は他の感覚点に比べて高い
温度感覚 温度感覚は、皮膚のほか口腔などの粘膜にも存在し、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏(誤:温覚の方が冷覚よりも鋭敏)である
深部感覚 深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識(誤:内臓の動きや炎症などを感じて、内臓痛を認識)する感覚である
刺激と感覚 物理化学的な刺激の量と人間が意識する感覚の強度とは、直線的な比例関係にある(正:感覚量は刺激強度の対数に比例する)

眼と視覚

◎=よく出る、〇=出やすい、△=たまに出る

視細胞 網膜には、明るい所で働き色を感じる錐状体(誤:杆状体)と、暗い所で働き弱い光を感じる杆状体(誤:錐状体)の2種類の視細胞がある
近視 眼軸が長過ぎる(誤:短過ぎる)ために、平行光線が網膜の前方(誤:後方)で像を結ぶものを近視という
遠視 眼軸が短過ぎる(誤:長過ぎる)ために、平行光線が網膜の後方(誤:前方)で像を結ぶものを遠視という
乱視 角膜が歪んでいたり、表面に凹凸があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばれないものを乱視という
水晶体 眼は、水晶体(誤:硝子体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている
順応 明るいところから急に暗いところに入ると、初めは見えにくいが徐々に見えやすくなることを暗順応(誤:明順応)という
虹彩 眼をカメラに例えると、虹彩は、しぼりの働きをする
瞳孔 眼は、周りの明るさによって瞳孔の大きさが変化して眼に入る光量が調節され、暗い場合には瞳孔が広がる

耳と聴覚

◎=よく出る、△=たまに出る

耳の構造 耳は、聴覚と平衡感覚をつかさどる器官で、外耳、中耳及び内耳の三つの部位に分けられる
内耳

※よく出るので必ず覚える!

  • 内耳は、聴覚と平衡感覚をつかさどる器官である
  • 内耳は、前庭、半規管及び蝸牛(うずまき管)の三つの部位からなり、前庭と半規管が平衡感覚、蝸牛が聴覚(誤:平衡感覚)をそれぞれ分担している
  • 内耳の前庭は体の傾きの方向や大きさ(誤:体の回転の方向や速度)を感じ、半規管は体の回転の方向や速度(誤:体の傾きの方向や大きさ)を感じる平衡感覚器である
  • 耳介で集められた音は、鼓膜を振動させ、その振動は耳小骨によって増幅され、内耳に伝えられる
中耳

※よく出るが内耳の機能・器官を中耳とした誤りが多数

  • 誤:中耳は、平衡感覚をつかさどる重要な器官である
  • 誤:中耳は、身体の位置判断と平衡保持の感覚をつかさどる
  • 誤:中耳には前庭、半規管があり、平衡感覚に関与している
  • 誤:中耳にある蝸牛は、聴覚に関与している
  • 中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている
騒音性難聴
  • 騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の聴覚器官の有毛細胞の変性によって起こる
  • 騒音ばく露によって生じる聴力低下は、4000Hz付近から始まり、この聴力低下の型をC5dipという