【労働衛生】食中毒関連

食中毒と原因になる細菌・ウイルス

年々猛暑続きで、食中毒問題は今後も頻出になると思われます。ただし、食中毒全般で出題されたり、細菌性食中毒、特定の細菌、特定のウイルスなどで出題されたりするので、古い過去問までしっかり追わないと正解率は下がります。

以下、過去問の出題内容を分類したまとめです。どれもよく出題されています。

※過去問で出題された内容であり、食中毒全般を網羅したものではありません。

毒素型食中毒
  • 食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒
  • 代表例:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌(誤:サルモネラ菌、腸炎ビブリオ
感染型食中毒
  • 食物に付着した食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒
  • 代表例:サルモネラ菌、腸炎ビブリオ(誤:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌
ボツリヌス菌 特徴等 缶詰・真空パック食品など酸素のない食品中で増殖、熱に強い誤:60℃・10分、80℃程度で殺菌
毒性・症状 神経毒、筋肉の麻痺症状、致死率が高い
黄色ブドウ球菌 特徴等 熱に強い
腸炎ビブリオ 特徴等 主に海産の魚介類、病原性好塩菌ともいわれる、(誤:熱に強い
潜伏期間 概ね10~20時間
症状 胃痙攣様の腹痛、水様下痢など
サルモネラ菌 特徴等 鶏卵が原因となることがある、(誤:病原性好塩菌ともいわれる
O-157・O-111 特徴等 腸管出血性大腸菌の一種、加熱不足の食肉などから摂取
潜伏期間 3~5日
毒性・症状 ベロ毒素(赤痢菌の産生毒素に類似)、腹痛や出血を伴う水様性の下痢など
ノロウイルス 特徴等 手指・食品などを介して経口で感染(誤:ウイルスが産生した毒素により発症)、腸管で増殖、冬季が多い
潜伏期間 1~2日
症状 嘔吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎
殺菌 エタノールや逆性石鹸はあまり効果がない、煮沸消毒又は塩素系の消毒剤が効果的