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クレーン及びデリック
R3後期-問1
クレーンに関する用語の記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:キャンバとは、天井クレーンなどであらかじめクレーンガーダに与える上向きのそり(曲がり)をいう。
2:つり上げ荷重とは、クレーンの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。
3:定格速度とは、定格荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、走行、横行、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。
4:揚程とは、つり具を有効に上げ下げできる上限と下限の垂直距離をいう。
5:天井クレーンのスパンとは、クラブトロリの移動する距離をいう。
R3後期-問2
クレーンの構造部分に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:Iビームガーダは、I形鋼を用いたクレーンガーダで、単独では水平力を支えることができないので、必ず補桁を設ける。
2:ジブクレーンのジブは、荷をより多くつれるように、自重をできるだけ軽くするとともに、剛性を持たせる必要があるため、パイプトラス構造やボックス構造のものが用いられる。
3:プレートガーダは、細長い部材を三角形に組んだ骨組構造で、強度が大きい。
4:橋形クレーンの脚部には、剛脚と揺脚があり、剛脚はクレーンガーダに作用する水平力に耐える構造とするため、クレーンガーダとピンヒンジで接合されている。
5:ボックスガーダは、鋼板を箱形状の断面に構成したものであるが、その断面形状では水平力を十分に支えることができないため、補桁と組み合わせて用いられる。
R3後期-問4
クレーンの機械要素に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:ウォームギヤは、ウォームとこれにかみ合うウォームホイールを組み合わせたもので、一対の歯車で15~50程度の減速比が得られる。
2:スラスト軸受は、軸の直角方向の荷重を支える軸受である。
3:リーマボルトは、ボルト径が穴径よりわずかに小さく、取付け精度は良いが、横方向にせん断力を受けるため、構造部材の継手に用いることはできない。
4:はすば歯車は、歯が軸につる巻状に斜めに切られており、動力の伝達にむらが少ないが、減速比は平歯車ほど大きくすることができない。
5:歯車形軸継手は、外筒の内歯車と内筒の外歯車がかみ合う構造で、外歯車にはクラウニングが施してあるため、二つの軸のずれや傾きがあると円滑に動力を伝えることができない。
R3後期-問5
クレーンの安全装置などに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:玉掛け用ワイヤロープの外れ止め装置は、シーブから玉掛け用ワイヤロープが外れるのを防止するための装置である。
2:レバー形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上げ過ぎ及び巻下げ過ぎの両方の位置制限を1個のリミットスイッチで行うことができる。
3:直働式巻過防止装置のうち重錘形リミットスイッチ式のものは、ワイヤロープを交換した後の作動位置の再調整が必要である。
4:天井クレーンなどでは、運転室からクレーンガーダへ上がる階段の途中にフートスイッチを設け、点検などの際に階段を上がると主回路が開いて感電災害を防ぐようになっているものがある。
5:レールクランプは、屋外に設置された走行クレーンが作業中に突風などにより逸走することを防止する装置で、走行路の定められた係留位置で短冊状金具を地上の基礎に落し込むことによりクレーンの逸走を防止する。
R3後期-問6
クレーンの給油及び点検に関する次のAからEの記述について、適切でないもののみを全て挙げた組合せは1~5のうちどれか。
A ワイヤロープの点検で直径を測定する場合は、フックブロックのシーブを通過する頻度が高い部分を避け、エコライザシーブの下方1m程度の位置で行う。
B 軸受へのグリースの給油は、平軸受(滑り軸受)では毎日1回程度、転がり軸受では6か月に1回程度の間隔で行う。
C 給油装置は、配管の穴あき、詰まりなどにより給油されないことがあるので、給油部分から古い油が押し出されている状態などにより、新油が給油されていることを確認する。
D 油浴式給油方式の減速機箱の油が白く濁っている場合は、水分が多く混入しているおそれがある。
E グリースカップ式の給油方法は、グリースカップから一定の圧力で自動的にグリースが圧送されるので、給油の手間がかからない。
1:A、B、C
2:A、D、E
3:A、E
4:B、C
5:C、D、E
R3後期-問7
クレーンのブレーキに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:電動油圧押上機ブレーキは、油圧により押上げ力を得て制動を行い、ばねの復元力によって制動力を解除する。
2:ディスクブレーキは、ディスクをブレーキ片(パッド)で両側からはさみ付けて制動する構造のものであるが、ディスクが過熱しやすいため、ドラム形ブレーキなどに比べ、装置全体を小型化することができない。
3:電磁式バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けて制動する。
4:足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン及びこれらをつなぐ配管などに油漏れや空気の混入があると、制動力が生じなくなることがある。
5:つり上げ装置のブレーキの制動トルクの値は、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の120%に調整する。
R3後期-問8
デリックの種類及び型式に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:スチフレッグデリックは、1本の直立したマストを通常135°に開いた2本のガイロープにより後方から支えるもので、ブームはマストより短いものが多く、旋回角度は通常240°が限度である。
2:ガイデリックは、1本の直立したマストを6本以上のガイロープにより支えるもので、ブームはガイロープをくぐるようにして360°まで旋回する。
3:鳥居形デリックは、2本の直立したマストを2本のステーにより後方から支えるもので、旋回角度はステーにより制限され、通常は180°が限度である。
4:ジンポールデリックは、1本の直立したマストを2本のガイロープにより後方から支えるもので、旋回角度は、通常180°が限度である。
5:二又デリックは、下端が互いに交差する2本のマストを2本以上のガイロープにより後方から支えるもので、旋回は120°まで可能である。
R3後期-問9
デリックの取扱いに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:ブレーキ、クラッチ、警報装置などの機能を確認するためのならし運転は、無負荷で行う。
2:ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、ブレーキに歯止め又は止め金を掛け、クラッチを外し、スイッチを切って送電を待つ。
3:ドラムに巻き取るワイヤロープが乱巻きになり始めた場合は、あわてて巻き戻すと乱巻きが更に進んでしまうので、一旦巻き重ねた上で、巻き戻すときにフリートアングルを調整する。
4:構造上、巻過防止装置を備えることができないデリックでは、巻過ぎを防止するため、巻上げ用ワイヤロープに目印を付け、目印に注意して運転する。
5:つり荷から玉掛け用ワイヤロープを引き抜く際、デリックの巻上げ動作で引き抜くと、ワイヤロープが荷に引っ掛かり、荷崩れを引き起こすおそれがあるので、巻上げ動作でワイヤロープを引き抜いてはならない。
R3後期-問10
ガイデリックの作動装置に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:巻上げ装置の巻上げ用ワイヤロープは、ブーム先端のシーブ、マスト下部のシーブ、マストステップの下のシーブを経てドラムに巻き取られる。
2:デリック用ウインチには、単胴式と複胴式がある。
3:デリック用ウインチのスインガードラムは、旋回用ワイヤロープの巻取り及び巻戻しにより旋回を行うもので、ウインチドラムの前側に設けられている。
4:デリック用ウインチの原動機は、台枠後方に取り付けられる。
5:巻上げ装置にデリック用ウインチを使用するものでは、巻上げは原動機を正転させ、巻下げは原動機を逆転させることにより行う。
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