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クレーン及びデリック
H30後期-問1
クレーンの構造部分に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:Iビームガーダは、I形鋼を用いたクレーンガーダで、単独では水平力を支えることができないので、必ず補桁を設ける。
2:ジブクレーンのジブは、荷をより多くつれるように、自重をできるだけ軽くするとともに、剛性を持たせる必要があるため、パイプトラス構造やボックス構造のものが用いられる。
3:プレートガーダは、細長い部材を三角形に組んだ骨組構造で、強度が大きい。
4:橋形クレーンの脚部には、剛脚と揺脚があり、剛脚はクレーンガーダに作用する水平力に耐える構造とするため、クレーンガーダとピンヒンジで接合されている。
5:ボックスガーダは、鋼板を箱形状に組み合わせた構造であるが、その断面形状では水平力を十分に支えることができないため、補桁と組み合わせて用いられる。
H30後期-問2
クレーンのトロリ及び作動装置に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:巻上装置に主巻と補巻を設ける場合、定格荷重の大きい方を主巻、小さい方を補巻と呼び、一般的には巻上速度は補巻の方が速い。
2:ワイヤロープ式のホイストには、トップランニング式と呼ばれるダブルレール形ホイストとサスペンション式と呼ばれる普通形ホイストがある。
3:クラブトロリの横行装置には、電磁ブレーキや電動油圧押上機ブレーキが用いられるが、屋内に設置される横行速度の遅いものなどでは、ブレーキを設けないものもある。
4:旋回装置は、ジブクレーンにおいて、中心軸の周りでジブなどを回転させる装置で、電動機、減速装置、固定歯車、ピニオンなどで構成されている。
5:天井クレーンの一電動機式走行装置は、片側のサドルに電動機と減速装置を備え、電動機側の走行車輪のみを駆動する。
H30後期-問3
ワイヤロープ及びつり具に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:ワイヤロープの心綱は、ストランドの中心にある素線のことで、良質の炭素鋼を線引きして作られる。
2:「ラングより」のワイヤロープは、ロープのよりの方向とストランドのよりの方向が同じである。
3:ストランド6よりのワイヤロープの径の測定は、ワイヤロープの同一断面の外接円の直径を3方向から測定し、その平均値を算出する。
4:「Zより」のワイヤロープは、ロープを縦にして見たとき、右上から左下へストランドがよられている。
5:リフティングマグネットは、電磁石を応用したつり具で、不意の停電に対してつり荷の落下を防ぐため、停電保護装置を備えたものがある。
H30後期-問4
クレーンの機械要素に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:フランジ形たわみ軸継手は、流体を利用したたわみ軸継手で、二つの軸のずれや傾きの影響を緩和するために用いられる。
2:はすば歯車は、歯が軸につる巻状に斜めに切られており、平歯車より減速比を大きくできるが、動力の伝達にむらが多い。
3:ローラーチェーン軸継手は、たわみ軸継手の一種で、2列のローラーチェーンと2個のスプロケットから成り、ピンの抜き差しで両軸の連結及び分離が簡単にできる。
4:リーマボルトは、ボルト径が穴径よりわずかに小さく、取付精度は良いが、横方向にせん断力を受けるため、大きな力には耐えられない。
5:歯車形軸継手は、外筒の内歯車と内筒の外歯車がかみ合う構造で、外歯車にはクラウニングが施してあるため、二つの軸のずれや傾きがあると円滑に動力を伝えることができない。
H30後期-問5
クレーンの安全装置などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:天井クレーンなどでは、運転室からクレーンガーダへ上がる階段の途中にフートスイッチを設け、点検などの際に階段を上がると主回路が開いて感電災害を防ぐようになっているものがある。
2:クレーンのフックの外れ止め装置には、スプリング式とウェイト式があるが、小型・中型のクレーンでは、スプリング式のものが多く使われている。
3:カム形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上ドラムの回転によってカムを回転させリミットスイッチを働かせる方式で、複数の接点を設けることができる。
4:ねじ形リミットスイッチを用いた巻過防止装置は、巻上用ワイヤロープを交換した場合は、フックの位置とトラベラーの作動位置を再調整する必要がある。
5:直働式巻過防止装置のうちレバー形リミットスイッチ式のものは、ワイヤロープを交換した後のリミットスイッチの接点の作動位置の再調整は必要ないが、重錘形リミットスイッチ式のものは再調整が必要である。
H30後期-問6
クレーンのブレーキに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:電動油圧押上機ブレーキは、油圧により押上げ力を得て制動を行い、ばねの復元力によって制動力を解除する。
2:電磁ディスクブレーキは、ディスクが過熱しやすく、装置全体を小型化しにくい。
3:電磁式バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けて制動する。
4:足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン及びこれらをつなぐ配管などに油漏れや空気の混入があると、制動力が生じなくなることがある。
5:巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.2倍の制動力を持つものでなければならない。
H30後期-問7
クレーンの給油及び点検に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:ワイヤロープの点検で直径を測定する場合は、フックブロックのシーブを通過する頻度が高い部分を避け、エコライザシーブの下方1m程度の位置で行う。
2:潤滑油としてギヤ油を用いた減速機箱は、箱内が密封されているので、油の交換は不要である。
3:軸受へのグリースの給油は、転がり軸受では毎日1回程度、平軸受(滑り軸受)では6か月に1回程度行う。
4:ワイヤロープには、ロープ専用のマシン油を塗布する。
5:給油装置は、配管の穴あき、詰まりなどにより給油されないことがあるので、給油部分から古い油が押し出されていることなどの状態により、新油が給油されていることを確認する。
H30後期-問8
デリックの種類及び型式に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:鳥居形デリックは、2本のマストとその上端を結ぶ横ばりをガイロープにより後方から支えるもので、通常、数個のつり具の組合せにより荷の巻上げ及び巻下げを行う。
2:スチフレッグデリックは、1本の直立したマストを通常135°に開いた2本のステーにより後方から支えるもので、安定度はガイデリックより小さい。
3:ガイデリックは、1本の傾斜したマストを6本以上のガイロープにより支えるもので、ブームはガイロープをくぐるようにして旋回するが、旋回角度はガイロープにより制限され、通常は240°が限度である。
4:ジンポールデリックは、2本のマストを4本以上のガイロープにより支えるもので、マストを直立させて使用する。
5:二又デリックは、下端が互いに交差する2本のマストを2本以上のガイロープにより後方から支えるもので、旋回は180°まで可能である。
H30後期-問9
デリックの取扱いに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
1:荷の水平移動を行う場合は、荷を所要の高さまで巻き上げてから、水平移動に移る。
2:巻下げのときは、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックが多い。
3:旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こすことになる。
4:ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外し、クラッチをつなぎ、スイッチを切って送電を待つ。
5:ブレーキ、クラッチ、警報装置などの機能を確認するためのならし運転は、無負荷で行う。
H30後期-問10
デリックに関する用語の記述として、適切なものは次のうちどれか。
1:ブームを有するデリックで、定格荷重とは、デリックの構造及び材料並びにブームの傾斜角に応じて負荷させることができる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。
2:作業半径とは、ブームの取付ピンとつり具中心との水平距離をいう。
3:揚程とは、つり具を有効に上げ下げできる上限と下限との間の垂直移動距離をいう。
4:ブームの傾斜角とは、ブームの中心線とマストの中心線とのなす角をいう。
5:定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、旋回などの作動を行う場合のそれぞれの最高の速度をいう。
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