作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡を起こすことがある。
2:電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
3:金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
4:窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
5:減圧症は、潜函作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
答:1
1:正しい。低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡を起こすことがある。
2:誤り。電離放射線による造血器障害は、確定的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
3:誤り。金属熱は、亜鉛、銅その他の金属の溶解時などに発生するヒュームを吸入した後に生じる疾病で、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられる。
4:誤り。酸素濃度の低い空気は、一呼吸するだけでも失神、昏倒し、死に至ることがある。
5:誤り。減圧症は、潜函作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。