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労働衛生(有害業務)
H23後期-問11
空気中の汚染物質の分類とその性状に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:空気中の汚染物質は、気体物質と粒子状物質に分類される。
2:常温、常圧で液体又は固体である物質が、蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものを蒸気という。
3:固体に研磨、切削、粉砕等の機械的な作用を加えて発生した固体微粒子で空気中に浮遊しているものを粉じん(ダスト)という。
4:気体(例えば金属の蒸気)が空気中で凝固、化学変化を起こし、固体の微粒子となって空気中に浮遊しているものをヒュームという。
5:ヒュームより微細な固体の粒子で空気中に浮遊しているものをミストという。
H23後期-問12
有機溶剤の一般的性質等について、正しいものは次のうちどれか。
1:有機溶剤の蒸気は、空気より軽い。
2:有機溶剤は脂溶性で、皮膚や粘膜から吸収されやすいが、アセトンなど水溶性と脂溶性を併せ持つものは、吸収されにくい。
3:有機溶剤には、揮発性と引火性があり、ハロゲン化炭化水素は特に燃えやすい。
4:多発性神経炎を起こす有機溶剤として、ノルマルヘキサンがある。
5:再生不良性貧血などの造血器障害を起こす有機溶剤として、二硫化炭素がある。
H23後期-問13
特殊健康診断に関する次の文中の[ ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「特殊健康診断における有害物の体内摂取量を把握する検査として、代表的なものが生物学的モニタリングである。有機溶剤の場合は生物学的半減期が[ A ]ので、有機溶剤等健康診断における[ B ]の量の検査においては、[ C ]の時刻を厳重にチェックする必要がある。」
1:A=短い B=尿中蛋白 C=採尿
2:A=短い B=有機溶剤代謝物 C=採尿
3:A=短い B=血清トリグリセライド C=採血
4:A=長い B=尿中蛋白 C=採尿
5:A=長い B=有機溶剤代謝物 C=採血
H23後期-問14
有害物質による中毒について、誤っているものは次のうちどれか。
1:鉛中毒では、貧血、末梢神経障害、腹部の疝痛などの症状・障害がみられる。
2:マンガン中毒では、甲状腺障害、門歯・犬歯の黄色環などの症状・障害がみられる。
3:カドミウム中毒では上気道炎、肺炎、肺気腫や腎障害などの症状・障害がみられる。
4:金属水銀中毒では、手指の震え、感情不安定などの症状・障害がみられる。
5:砒素中毒では、角化症、黒皮症や鼻中隔穿孔などの症状・障害がみられる。
H23後期-問15
作業環境における有害因子等による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、胸痛などの症状がみられる。
2:金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、長期間にわたる発熱、関節痛などの症状がみられる。
3:低体温症は、全身が冷やされて体内温度が25℃以下にまで低下したとき発生し、意識消失、筋の硬直などの症状がみられる。
4:凍瘡は、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生し、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけの症状がみられる。
5:レイノー現象は、振動障害に特有の末梢神経障害で、夏期に発生しやすい。
H23後期-問16
有害光線等による障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:赤外線は、可視光線より波長の長い電磁波で、白内障を起こすことがある。
2:紫外線は、可視光線より波長の短い電磁波で、電光性眼炎を起こすことがある。
3:マイクロ波は、紫外線より波長の短い電磁波で、網膜剥離を起こすことがある。
4:レーザー光線は、誘導放出による光の増幅によって人工的に作られた電磁波で、網膜の損傷を起こすことがある。
5:ガンマ線は、コバルト60、イリジウム192などの放射性同位元素から放射される電磁波で、電離作用があり、白内障を起こすおそれがある。
H23後期-問17
作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:騒音レベルの測定は、通常、騒音計の周波数補正回路のA特性で行い、その大きさはdB(A)で表示する。
2:騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の聴覚器官の有毛細胞の変性と脱落によって起こる。
3:騒音性難聴は、感音性の難聴で、耳鳴りを伴うことが多い。
4:騒音性難聴の初期に認められる特徴的な聴力低下の型をC5ディップという。
5:等価騒音レベルは、中心周波数500Hz、1000Hz、2000Hz及び4000Hzの各オクターブバンドの騒音レベルの平均値で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応する。
H23後期-問18
厚生労働省の「作業環境測定基準」及び「作業環境評価基準」に基づく作業環境測定及びその結果の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:評価の指標として用いられる管理濃度は、個々の労働者の有害物質へのばく露限界を示すものである。
2:原材料を反応槽へ投入する場合など、間けつ的に有害物質の発散を伴う作業による気中有害物質の最高濃度は、A測定の結果により評価される。
3:単位作業場所における気中有害物質濃度の平均的な分布は、B測定の結果により評価される。
4:A測定の第二評価値が管理濃度を超えている単位作業場所は、B測定の結果に関係なく第三管理区分に区分される。
5:B測定の測定値が管理濃度を超えている単位作業場所は、A測定の結果に関係なく第三管理区分に区分される。
H23後期-問19
局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1:ダクトの断面の形状には円形、角形などがあるが、その断面積を大きくするほどダクトによる圧力損失が増大する。
2:フード開口部の周囲にフランジを設けると、吸引範囲は広くなるが、所要の効果を得るために必要な排風量は増加する。
3:グローブボックス型フードは、発生源からの飛散速度を利用して有害物を捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
4:レシーバー式フードは、有害物の飛散方向にフードを置いて飛来する有害物を捕捉するもので、キャノピー型やカバー型(グラインダー型)がある。
5:空気清浄装置を付設する局所排気装置では、排風機は、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。
H23後期-問20
呼吸用保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1:防じんマスクは、有害ガスの存在する場所や酸素濃度が18%未満の場所では使用してはならない。
2:防じんマスクの手入れの際、ろ過材に付着した粉じんを除去するために、圧縮空気で吹き飛ばしたり、ろ過材を強くたたいて払い落としたりしてはならない。
3:有機ガス用防毒マスクの吸収缶の色は黒色であり、一酸化炭素用防毒マスクの吸収缶の色は赤色である。
4:二種類以上の有害ガスが混在している場合には、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用する。
5:ガス又は蒸気状の有害物質が粉じんと混在している作業環境中では、防じん機能を有する防毒マスクを選択する。
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