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ボイラーの構造(A1~A10)

H23前期-A-問1

熱及び仕事に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:気体の比熱には、圧力一定で温度1℃上げる場合の定圧比熱と体積一定で温度1℃上げる場合の定積比熱(定容比熱)とがあるが、定圧比熱は定積比熱より大きい。

2:物体内部に温度差があると、その高温部から低温部へと熱の流れを生じるが、これは熱が一つの分子から隣の分子へと順次伝わる現象で、熱伝導という。

3:金属壁の表面とそれに接する流体との間での熱移動を熱伝達といい、液体の沸騰又は蒸気の凝縮のように相変化を伴う場合の熱伝達によって伝わる熱量は極めて大きい。

4:熱と仕事はともにエネルギーの形態で、本質的に同等であり、電気的仕事量1kWhは、熱量1MJに相当する。

5:物体の圧力をP(Pa)、内部エネルギーをu(J/kg)、比体積をv(m3/kg)とすると、物体の比エンタルピh(J/kg)は、h=u+Pvで示される。

解答と解説

H23前期-A-問2

水管ボイラーにおける水の自然循環に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:下降管内の水の密度と上昇管内の気水混合物の密度の差により循環力が生じる。

2:蒸気ドラムと水ドラムの間の高さの差が大きいほど、水の循環力は大きくなる。

3:蒸気の熱伝達率は、沸騰水と比べてはるかに小さいので、運転中、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる。

4:熱負荷を増すと、上昇管内の気水混合物の平均密度が増加し、循環力が低下するので、上昇管出口における管壁温度が上昇する。

5:ボイラーの運転圧力が低いほど、蒸気の比体積が大きくなるため、ボイラー水の循環比を大きくとり、上昇管内で蒸気が占める体積割合を抑える必要がある。

解答と解説

H23前期-A-問3

水冷壁に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:スペースドチューブ壁は、耐火材の内側に裸水管を適当な間隔をもたせて配置し、耐火材の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けたものである。

2:タンゼントチューブ壁は、耐火材の内側に裸水管を近接して配置し、水管の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けたものである。

3:フィンチューブ壁は、耐火材の内側に水管両側に平板を溶接したひれ付き管を近接して配置し、水管の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けたものである。

4:パネル式水冷壁(メンブレンウォール)は、フィンチューブの相互間を溶接して板状にまとめ、その内側に耐火材を塗布したものである。

5:スタッドチューブ壁は、水管の周囲に短い鋼棒片を多数溶接したものを内壁に並べ、その内側の面に耐火材を塗布したものである。

解答と解説

H23前期-A-問4

鋳鉄製ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:鋳鉄製ボイラーは、鋼製ボイラーに比べ強度は低いが、腐食には強い。

2:ほとんどの鋳鉄製ボイラーの燃焼室の底面は、ウェットボトム方式の構造となっている。

3:重力式の蒸気暖房用鋳鉄製ボイラーの返り管では、低水位事故を防止するために、ハートフォード式連結法がよく用いられる。

4:鋳鉄製ボイラーの側二重柱構造のセクションは、セクションの強度を補強すると同時に、ボイラー水の循環を促進する効果を持っている。

5:暖房に蒸気ボイラーを使用する場合は、温水ボイラーを使用する場合に比べ、気温の変動により必要な各部屋ごとの温度調節が容易である。

解答と解説

H23前期-A-問5

炉筒の構造と強度に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:炉筒は、燃焼ガスによって加熱され、長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されるため、圧縮応力が生じる。

2:熱応力が生じる鏡板や炉筒を補強するため、ブリージングスペースにはステーを設ける。

3:炉筒は、外圧を受けるので、真円度が保たれていないと、圧力により変形が増し、圧かいを起こすおそれがある。

4:炉筒の圧かいを防止するため、波形炉筒を用いたり、平形炉筒の場合には外周に補強リングを溶接したりする。

5:平形炉筒では、熱応力を軽減するための伸縮継手の多くは各節の接合部に設けられ、溶接によって取り付けられる。

解答と解説

H23前期-A-問6

圧力計及び流量計に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:ブルドン管式圧力計は、断面がへん平な管を円弧状に曲げ、その一端を固定し他端を閉じ、その先に歯付扇形片を取り付けたものである。

2:歯付扇形片は、ブルドン管に圧力が加わると、管の円弧が広がることで動く構造となっている。

3:サイホン管を胴と圧力計との間に取り付け、その中に水を入れてブルドン管に蒸気や高温の水が直接入らないようにする。

4:面積式流量計は、ケーシング内で組み合せた2個のだ円形歯車を流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との間の空間部分の量だけ流体が流れ、流量が歯車の回転数に比例することを利用している。

5:差圧式流量計は、流体の流れている管の中にベンチュリ管又はオリフィスなどの絞り機構を挿入すると、その入口と出口の間に圧力差が生じ、流量が差圧の平方根に比例することを利用している。

解答と解説

H23前期-A-問7

過熱蒸気温度の調節法として、誤っているものは次のうちどれか。

1:給水の一部を過熱低減器に注入し、過熱蒸気を減温して温度調節する。

2:過熱器に入る蒸気の乾き度を変え、過熱器出口蒸気温度を調節する。

3:過熱蒸気の一部をボイラー水中に配置された熱交換器に通し、減温して温度調節を行う。

4:過熱器を通過する燃焼ガス量を変え、蒸気温度を調節する。

5:バーナの噴射角度を変え、過熱器入り口の燃焼ガス温度を変えて蒸気温度を調節する。

解答と解説

H23前期-A-問8

ボイラーの自動制御に関する次の文中の[  ]内に入れる[ A ]から[ C ]の用語の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。

『ボイラーの水位制御においては、[ A ]が増加して水面が下がる前に、[ A ]の増加を検出して給水量を増加させる操作を行う。このように、[ B ]と制御量の偏差によらず外乱などの情報に基づいて操作量を決定する制御を[ C ]制御という。』

1:A=蒸気流量 B=目標値 C=フィードフォワード

2:A=燃焼空気量 B=目標値 C=フィードバック

3:A=蒸気流量 B=操作量 C=シーケンス

4:A=燃焼空気量 B=燃料量 C=フィードフォワード

5:A=燃料量 B=操作量 C=シーケンス

解答と解説

H23前期-A-問9

ボイラーに使用する金属材料に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:鋳鉄は、炭素量が通常2.5~4%程度の鉄・炭素合金で、溶融点が低く流動性が良いので複雑な形状のものを作ることができるが、鍛造や圧延はできない。

2:鋳鋼は、弁その他形状が複雑なため機械加工が困難で、鋳鉄では強度が不足する部品に使用される。

3:高炭素鋼は、溶接部が焼入れされて硬化し、割れが発生しやすいので、ボイラーには主として炭素量0.5%程度の軟鋼が使用される。

4:銅合金には、銅と亜鉛の合金である黄銅、銅とすずの合金である青銅があり、バルブ、コックなどに使用される。

5:合金鋼には、ステンレス鋼、モリブデン鋼、クロム・モリブデン鋼などがある。

解答と解説

H23前期-A-問10

重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時5t、燃料消費量が毎時360kgで、燃料の低発熱量が42MJ/kgであるとき、ボイラー効率の近似値は、1~5のうちどれか。
ただし、発生蒸気の比エンタルピは2790kJ/kg、給水の温度は24℃とする。

1:87%

2:89%

3:91%

4:93%

5:95%

解答と解説

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