左大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)で入院していた軽度の認知症(dementia)のあるAさんが、介護老人保健施設に入所し2週間が経過した。入所時は、環境の変化によるせん妄(delirium)が見られ、日常生活の不活発による食欲低下から食事摂取量が少なかった。また転倒の恐れもあった。現在はせん妄がなくなり趣味のカラオケをしたいとの要望が出るほどになってきたが、日常の金銭管理は出来ない状態である。
介護職の支援のあり方として、適切なものを一つ選びなさい。
1:提供する食事の量が多いと判断して減らす。
2:安全性を考慮し、ベッドを柵で囲む。
3:移動の際は全介助で行う。
4:他の利用者と一緒にカラオケをする場を設ける。
5:家族に対し預金通帳の名義を変更するよう助言する。
答:4
1:誤り。入所時は日常生活の不活発による食欲低下から食事摂取量が少なかった。提供する食事の量が多いと判断して減らすことは適切ではない。
2:誤り。介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない。安全性を考慮し、ベッドを柵で囲むことは不適切である。
3:誤り。骨折から2週間が経過しており、移動はできるだけ自力で行えるような支援をして介護予防に努めるべきである。全介助で行うことは適切とはいえない。
4:正しい。現在はせん妄がなくなり趣味のカラオケをしたいとの要望が出るほどになってきた。他の利用者と一緒にカラオケをする場を設けることは適切な対応である。
5:誤り。日常の金銭管理は出来ない状態であっても、家族に対し預金通帳の名義を変更するよう助言することは不適切である。
- Back: 第23回-問題120
- Next: 第24回-問題2