〔事例(問題115から問題117まで共通)〕
Kさん(70歳、女性、要介護2)は、夫(78歳)と息子(45歳 会社員)とで同居している。Kさんは、40年来関節リウマチ(rheumatoid arthritis)に罹患し薬を服用し、頸椎カラーを装着している。現在、両手・肩・股・足関節に関節可動域制限があり、手は足先までは届かない。ベッド上では自力で起き上がりはできるが、ベッドからの立ち上がりには介助が必要で、歩行器での歩行が可能である。息子は仕事から帰ると積極的に介護や家事をしてくれる。日中の生活援助は週3回の訪問介護員が行い、身体介助は夫が行っていた。最近、夫の左肩に痛みが生じ、訪問介護員に「今までのようにうまく妻の介助ができない」と漏らすようになった。
Kさんのベッドからの立ち上がりを介助するため、ベッドの端に座ってもらった。訪問介護員が次に行うこととして、最も適切なものを一つ選びなさい。
1:手を介護者の首に回して組んでもらう。
2:ベッド柵を強く握ってもらう。
3:両足底を床につけてもらい、ベッドの高さを調節する。
4:頸部と体幹を十分に前屈してもらう。
5:介助用リフターをベッド脇に運ぶ。
答:3
1:誤り。Kさんは両手・肩に関節可動域制限があり、手を介護者の首に回して組んでもらうことは適切ではない。
2:誤り。Kさんは両手・肩に関節可動域制限があり、ベッド柵を強く握ってもらうことは適切ではない。
3:正しい。両足底を床につけてもらい、ベッドの高さを調節することは、立ち上がりの介助には重要である。
4:誤り。Kさんは頸椎カラーを装着しており、頸部と体幹を十分に前屈してもらうことは適切ではない。
5:誤り。Kさんは起き上がりや歩行器での歩行が可能であり、介助用リフターを使用する必要はない。
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