[事例(問題115から問題117まで共通)]
右利きの女性、Jさん(38歳)は、1年前に交通事故で脳の右半球に損傷を負い、重度の片麻痺と高次脳機能障害と診断を受けた。3か月前より、身体障害者更生施設に入所している。日中活動では立位安定の機能訓練が行われている。食事は自立しているが、排泄、入浴などの日常生活には介助が必要である。
午後は、自分で車いすを操作し、花壇の見えるところまで室内を移動している。休日には夫と娘が面会に来ており、一緒に野外の散歩を楽しんでいる。
次の記述のうち、Jさんの行為として出現しないものを一つ選びなさい。
1:車いすのブレーキを掛け忘れる。
2:車いすが左側の物にぶつかる。
3:施設内で迷子になる。
4:左手で本のページをめくる。
5:衣服を裏返しに着てしまう。
答:4
1:誤り。高次脳機能障害があるため、注意障害により車いすのブレーキを掛け忘れるおそれがある。
2:誤り。脳の右半球損傷による高次脳機能障害があるため、半側空間無視により左側の物にぶつかるおそれがある。
3:誤り。高次脳機能障害があるため、地誌的障害により施設内で迷子になるおそれがある。
4:正しい。脳の右半球に損傷を負うと左片麻痺起きるため、左手で本のページをめくることはない。
5:誤り。高次脳機能障害があるため、失行により衣服を裏返しに着てしまうおそれがある。
- Back: 第22回-問題114
- Next: 第22回-問題116