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燃料及び燃焼(B1~B10)
H24前期-B-問1
燃料及び燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:液体燃料に小火炎を近づけたとき瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を引火点という。
2:組成を示すのに、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
3:高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた発熱量で、真発熱量ともいい、実際に利用できる熱量に相当する。
4:断熱熱量計による燃料の発熱量の測定は、水槽中に沈めた耐圧容器内で燃料を完全燃焼させたときの発生熱量を、水槽内の水の温度上昇から算出する。
5:高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水素及び水分の割合で決まる。
H24前期-B-問2
液体燃料に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:重油の密度は、その温度条件を付して、15℃又はt℃における密度を「密度(15℃)」又は「密度(t℃)」として表す。
2:重油は、密度の大きいものほど、燃焼性は悪いが、単位質量当たりの発熱量が大きい。
3:重油の密度は、粘度、引火点、残留炭素分、硫黄分、窒素分などと互いに関連するが、温度が上がるほど密度は小さくなる。
4:燃料中の炭素・水素の質量比(C/H比)は、燃焼性を示す指標の一つで、これが大きい重油ほどすすを生じやすい。
5:実際の重油の引火点は平均100℃前後で、着火点は250~400℃程度である。
H24前期-B-問3
石炭の燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:石炭が炉内で加熱されると、まず揮発分が放出され、長炎となって燃焼する。
2:石炭を火格子上で燃焼させるとき、揮発分が放出された後に残るのが「おき」で、これは固定炭素が燃焼しているものである。
3:固定炭素は、石炭の主成分をなすもので、炭化度の進んだものほど多い。
4:低炭化度石炭は、揮発分が少なく、石炭ガスの放出が少ないため発熱量は小さい。
5:無煙炭は、最も炭化度の進んだ石炭で、燃焼速度が遅く燃焼滞留時間を長くする必要がある。
H24前期-B-問4
流動層燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:流動層燃焼は、石炭などの燃料と砂、石灰石などを多孔板上に供給し、その下から加圧された空気を吹き上げて、流動化した状態で燃料を燃焼させる。
2:燃料の石炭は、一般に散布機により炉内へ投入されるので、微粉炭だきに比べ、石炭粒径が大きく、粉砕動力が軽減される。
3:流動層燃焼は、層内での伝熱性能が良いのでボイラーの伝熱面積が小さくてすむが、伝熱管の摩耗に対する対策が必要となる。
4:流動層燃焼は、燃焼温度を800~900℃に制御することができるので、窒素酸化物(NOx)の発生を減らすことができる。
5:バブリング方式では、循環流動方式よりも空気の供給速度が大きく、固体粒子は燃焼室外まで運ばれた後、捕集され再び燃焼室下部へ戻される。
H24前期-B-問5
炭素1kgを完全燃焼させるのに必要な理論空気量の近似値は、1~5のうちどれか。
なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式は次のとおりである。
C+O2=CO2
1:1.8m3N
2:5.6m3N
3:8.9m3N
4:11.2m3N
5:26.7m3N
H24前期-B-問6
重油バーナに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:蒸気(空気)噴霧式油バーナは、油種は灯油からタールまで広い範囲で利用することができるが、霧化特性が悪く、油量調節範囲が狭い。
2:ロータリバーナは、高速で回転するカップ状の霧化筒により、油を筒の先端で放射状に飛散させ、筒の外周から噴出する空気流によって霧化する形式のバーナである。
3:ガンタイプ油バーナは、ファンと圧力噴霧式バーナとを組み合わせたもので、蒸発量3t/h程度以下の比較的小容量のボイラーに多く用いられる。
4:圧力噴霧式油バーナは、油圧力が低くなるほど微粒化が悪くなるため、非戻り油形バーナの油量調節範囲は、最大油量時の油圧力が2MPa付近のものでは1から1/2程度までである。
5:噴霧式油バーナのエアレジスタは、バーナから噴射される燃料油に燃焼用空気を供給するとともに、これらを撹拌して火炎が安定するように空気流を調かくはん節する装置である。
H24前期-B-問7
液体燃料の供給装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:常温では流動性の悪い燃料油をストレージタンクに貯蔵する場合は、タンク底面にコイル状の蒸気ヒータを装備して加熱する。
2:サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に、燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするタンクである。
3:噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するのに必要な圧力まで昇圧して供給するポンプである。
4:噴燃ポンプの入口には、バーナの構造に合った粘度に油を加熱する主油加熱器が設けられる。
5:噴燃ポンプには、吐出し圧力の過昇を防止するため、吐出し側と吸込み側の間に安全弁(逃がし弁)が設けられる。
H24前期-B-問8
ファンに関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:ボイラー通風に用いられるファンは、風圧は比較的低くても、送風量の大きなものが必要であり、誘引ファンでは、摩耗、腐食にも強いものでなければならない。
2:多翼形ファンは、羽根車の外周近くに浅く幅長で前向きの羽根を多数設けたもので、効率が低い。
3:後向き形ファンは、羽根車の主板及び側板の間に8~24枚の後向きの羽根を設けたもので、効率は良いが、高圧、大容量の送風には適さない。
4:ラジアル形ファンは、中央の回転軸から平面状の羽根を6~12枚取り付けたもので、強度があり、摩耗、腐食に強い。
5:ラジアル形ファンは、大形で重量も大きく、効率が低いため大きな動力を要する。
H24前期-B-問9
ボイラーの排ガス中のNOxを低減する燃焼方法に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:燃焼によって生じるNOxは、燃焼性が適切な空気比で最少になり、空気比がこれよりも小さくても大きくても増加する。
2:燃焼用空気を一次と二次に分けて供給し、燃焼を二段階で完結させて、NOxを低減する方法がある。
3:空気予熱器を設置しないで火炎温度を低下させてNOxを低減する方法があり、この方法では排ガス熱はエコノマイザを設置して回収する。
4:可能な限り理論空気量に近い空気比で燃焼させてNOxを低減する方法があり、この方法は、省エネルギー対策にもなる。
5:燃焼用空気に排ガスの一部を混合して燃焼ガスの体積を増し、酸素分圧を下げるとともに燃焼温度を下げ、NOxを低減する方法がある。
H24前期-B-問10
ボイラーの熱損失に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:排ガス熱による損失は、乾き排ガス中のCO2の体積比にほぼ反比例する。
2:不完全燃焼ガスによる損失は、燃焼ガス中にCOやH2などの未燃ガスが残ったときの損失で、通常、排ガス熱による損失よりも小さい。
3:ボイラー周壁から外気への放射熱損失は、ボイラーの容量が大きいほどその割合は小さい。
4:燃えがら中の未燃分による損失は、ガスだきでは無視できるが、油だき及び石炭だきの場合は5%程度である。
5:熱損失には、ブローによる損失や漏れによる損失も含まれる。
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