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ボイラーの構造(A1~A10)

H24前期-A-問1

水管ボイラーにおける水の循環に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:水管と蒸気の間の熱伝達率は、水管と沸騰水の間のそれに比べてはるかに小さいので、運転中、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる。

2:自然循環式ボイラーの場合、循環力を大きくするには下降管を加熱せず、また、蒸気ドラムと水ドラムの高さの差を大きくする。

3:自然循環式ボイラーの高圧ボイラーでは、熱負荷を増すと上昇管内の気水混合物の平均密度が増加し、循環力が低下するため、上昇管出口の管壁温度が上昇する。

4:自然循環式ボイラーでは、上昇管を上昇した蒸気は、蒸気ドラムで水分が分離された後に外部に供給され、その分の給水が蒸気ドラムに供給される。

5:ボイラーの運転圧力が低いほど、蒸気の比体積が大きくなるため、自然循環式ボイラーでは、循環比を大きく取り、上昇管内で蒸気が占める体積割合を抑える必要がある。

解答と解説

H24前期-A-問2

ボイラーに使用する金属材料に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:鋳鉄は、炭素量が通常2.5~4%程度の鉄・炭素合金で、溶融点が低く流動性が良いので複雑な形状のものを作ることができるが、鍛造や圧延はできない。

2:鋳鋼は、弁その他形状が複雑なため機械加工が困難で、鋳鉄では強度が不足する部品に使用される。

3:高炭素鋼は、溶接部が焼入れされて硬化し、割れが発生しやすいので、ボイラーには主として炭素量0.5~0.8%程度の軟鋼が使用される。

4:銅合金には、銅と亜鉛の合金の黄銅及び銅とすずの合金の青銅があるが、青銅のほうが鋳造しやすく、バルブ、コックなどに使用される。

5:合金鋼は、引張強さ、クリープ強さや耐食性を改善するために適量のクロム、ニッケルなどを炭素鋼に添加したもので、ボイラーにはステンレス鋼などが使用される。

解答と解説

H24前期-A-問3

炉筒煙管ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:他の丸ボイラーに比べ、構造が複雑で内部は狭く、掃除や検査が困難なため、十分に処理した水を給水しなければならない。

2:煙管には伝熱効果の大きいスパイラル管を用いているものが多い。

3:ウェットバック式は、後部煙室が胴の内部に設けられ、その周囲が水で囲まれている構造である。

4:後端の閉じられた炉筒を用い、燃焼火炎が炉筒後部で反転して前方に戻る戻り燃焼方式のものもある。

5:構造上、煙道にエコノマイザを設けることは困難であるが、空気予熱器を設け、ボイラー効率が90%を超えるものがある。

解答と解説

H24前期-A-問4

貫流ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:一連の長い管群で構成され、給水ポンプによって一端から押し込まれた水が順次、予熱、蒸発、過熱され、他端から過熱蒸気となって取り出される。

2:負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので、応答の速い給水量や燃料供給量の自動制御を必要とする。

3:超臨界圧ボイラーでは、水の状態から加熱され、沸騰状態を経て連続的に高温高圧蒸気の状態になるので、気水分離器は不要になる。

4:水管を垂直以外にも水平、斜めに配置することができ、細い水管内で給水がそのまま蒸発する。

5:給水量と燃料量の比が変化すると、ボイラー出口の蒸気温度の激しい変化となって現れる。

解答と解説

H24前期-A-問5

鋳鉄製ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:鋼製ボイラーに比べ、強度は低いが、腐食には強い。

2:燃焼室の底面は、ほとんどがウェットボトム方式の構造となっている。

3:蒸気ボイラーでは給水管は、ボイラーに直接ではなく、逃がし管に取り付けられる。

4:側二重柱構造のセクションでは、ボイラー水の循環において燃焼室側が上昇管、外側が下降管の役割を果たしている。

5:暖房に温水ボイラーを使用する場合は、蒸気ボイラーを使用する場合に比べ、気温の変動により必要な各部屋ごとの温度調節が容易である。

解答と解説

H24前期-A-問6

炉筒の構造、強度に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されているため圧縮応力が生じる。

2:炉筒は、外圧を受けるので、真円度が保たれていないと、圧力により変形が増し、圧かいを起こすおそれがある。

3:波形炉筒では、圧かいを防止するため、外周に補強リングが溶接によって取り付けられる。

4:平形炉筒では、熱応力を軽減するための伸縮継手の多くは、各節の接合部に設けられ、溶接によって取り付けられる。

5:炉筒の鏡板への取付けは、一般に鏡板の炉筒取付け部分を内方に折り込んで突合せ溶接によって行う。

解答と解説

H24前期-A-問7

空気予熱器又はエコノマイザに関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:空気予熱器を設置することにより、過剰空気量が少なくてすみ、燃焼効率が増大する。

2:空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より大きい。

3:高効率化や燃焼改善のためエコノマイザと空気予熱器を併用する場合は、ボイラー、空気予熱器、エコノマイザの順に配置する。

4:ヒートパイプ式空気予熱器は、金属製の管の中にアンモニア、水などの熱媒体を減圧して封入し、高温側で熱媒体を蒸発させ、低温側で熱媒体蒸気を凝縮させて、熱を移動させる。

5:再生式空気予熱器は、金属板の伝熱体を円筒内に収め、これを燃焼ガスと空気に交互に接触させて伝熱を行う。

解答と解説

H24前期-A-問8

ボイラーの附属品又は附属装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:沸水防止管は、多数の穴のあいたパイプの上部から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えて水滴を蒸気から振り切るようにしたものである。

2:脱気器は、給水中の酸素など溶存気体を取り除くもので、給水ポンプの吸込み側に設ける。

3:デミスタは、金網を重ねたものに蒸気を通し蒸気中の水滴を分離するもので、気水分離器の一種である。

4:給水加熱器は、排ガス熱を回収して、給水の温度を上げるもので、熱交換式が広く用いられる。

5:変圧式スチームアキュムレータは、送気系統中に設けられ、余分の蒸気を飽和水の状態にして蓄えるものである。

解答と解説

H24前期-A-問9

温度検出器に関し、次のうち誤っているものはどれか。

1:バイメタル式温度検出器は、熱膨張率の異なる2種類の薄い金属板を張り合わせたバイメタルにより接点をオンオフするもので、振動により誤差が出ることがあるが、直動式のため応答速度が速い。

2:溶液密封式温度検出器は、感温体内の液体又は気体の温度による膨張・収縮を利用して温度を検出するもので、液体又は気体の漏れによる誤差を生じることがある。

3:溶液密封式温度検出器の感温体は、直接ボイラー本体に取り付ける場合と、保護管を用いて取り付ける場合がある。

4:測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度によって変化する性質を利用して温度を測定するもので、使用する金属は温度に対する抵抗変化が一定であること、温度係数が大きいことなどが必要である。

5:熱電対は、2種類の材質の異なる金属線の両端を接合し、閉回路をつくったもので、両端で温度差が生じると、回路中にその金属固有の熱起電力が発生する原理を利用して温度を測定する。

解答と解説

H24前期-A-問10

ボイラーの自動制御に関する次の文中の[  ]内に入れるAからCの用語の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。

「ボイラーの水位制御においては、[ A ]が増加して水面が下がる前に、[ A ]の増加を検出して給水量を増加させる操作を行う。このように、[ B ]と制御量の偏差によらず外乱などの情報に基づいて操作量を決定する制御を[ C ]制御という。」

1:A=蒸気流量 B=目標値 C=フィードフォワード

2:A=燃焼空気量 B=目標値 C=フィードバック

3:A=蒸気流量 B=操作量 C=シーケンス

4:A=燃焼空気量 B=燃料量 C=フィードフォワード

5:A=燃料量 B=操作量 C=シーケンス

解答と解説

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