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燃料及び燃焼(B1~B10)
H23後期-B-問1
燃料及び燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という。
2:燃料成分の水素が燃焼して生成される水は、蒸気となり、発熱量の一部が蒸発潜熱として消費される。
3:低発熱量は、高発熱量から水の蒸発潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。
4:高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水素と水分の割合で定まる。
5:通常、固体燃料及び液体燃料の発熱量は断熱熱量計で、気体燃料の発熱量はユンカース式熱量計で測定する。
H23後期-B-問2
温度30℃で100Lの重油の標準温度(15℃)における体積の近似値は、次のうちどれか。
ただし、重油の体膨張係数を0.0007/℃とする。
1:98.2L
2:98.6L
3:99.0L
4:99.8L
5:101.2L
H23後期-B-問3
石炭の燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:石炭が炉内で加熱されると、まず揮発分が放出され、長炎となって燃焼する。
2:石炭を火格子上で燃焼させるとき、揮発分が放出された後に残るのが「おき」で、これは固定炭素が燃焼しているものである。
3:固定炭素は、石炭の主成分をなすもので、炭化度の進んだものほど多い。
4:低炭化度石炭は、揮発分が少なく、石炭ガスの放出が少ないため発熱量は小さい。
5:無煙炭は、最も炭化度の進んだ石炭で、燃焼速度が遅く燃焼滞留時間を長くする必要がある。
H23後期-B-問4
理論酸素量に関する次の文中の[ ]内に入れる[ A ]から[ C ]の数値の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「液体燃料の理論酸素量Oo(m3N/㎏燃料)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc、h、o及びs(kg)とすれば、次式で表わすことができる。
」
1:A=8 B=2 C=16
2:A=12 B=2 C=16
3:A=12 B=2 C=32
4:A=12 B=8 C=32
5:A=14 B=8 C=16
H23後期-B-問5
空気比に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:空気比とは、理論空気量に対する実際空気量の比で、理論空気量をA0、実際空気量をA、空気比をmとするとA=mA0となる。
2:空気比mは、完全燃焼の場合、乾き燃焼ガス中の酸素の体積割合をO2(%)とすると
で求めることができる。
3:実際燃焼における空気比の概略値は、液体燃料で1.05~1.3、微粉炭で1.15~1.3である。
4:空気比が過小な場合には、排ガス量が増加したり、未燃分が残る。
5:空気比が過大な場合には、低温腐食、高温腐食、NOxの発生などに影響を及ぼす。
H23後期-B-問6
液体燃料の燃焼装置に関し、次のうち正しいものはどれか。
1:液体燃料の供給装置に設けられる単室形のオートクリーナは、粘度の高い重質油のろ過に用いられる。
2:移送ポンプは、燃料油をバーナから噴射するのに必要な圧力まで昇圧して供給するポンプである。
3:蒸気(空気)噴霧式油バーナは、噴霧粒が細かく、灯油からタールまで広い範囲の油種に利用できるが、油量調節の範囲が狭い。
4:低圧気流噴霧式油バーナは、比較的低圧の燃料油のもつ圧力エネルギーで燃料油を微粒化し、気流により燃料噴流に大きな運動量を与える。
5:噴霧式油バーナのエアレジスタは、バーナから噴射される燃料油に燃焼用空気を供給するとともに、これらを撹拌して火炎が安定するように空気流を調節する。
H23後期-B-問7
燃焼及び燃焼室に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:基準温度において、燃料が理論空気量で完全燃焼し、外部への熱損失がないと仮定した場合に到達すると考えられる燃焼ガス温度を理論燃焼温度という。
2:理論燃焼温度は、燃料の低発熱量及び燃焼ガスの平均定圧比熱に比例する。
3:実際燃焼温度は、燃料の種類、空気比、燃焼効率などの条件で大きく変わるが、理論燃焼温度より高くなることはない。
4:単位時間における燃焼室の単位容積当たりの発生熱量を燃焼室熱負荷といい、単位としてkW/m3が用いられる。
5:燃焼室熱負荷は、燃焼用空気の予熱温度が高いと大きくなる。
H23後期-B-問8
通風に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:外気の密度をPa(kg/m3)、煙突内ガスの密度をPb(kg/m3)、煙突の高さをH(m)、重力の加速度をg(m/s2)とすれば、煙突の理論通風力Z(Pa)は、Z=(Pa-Pb)gHで求められる。
2:誘引通風は、煙道又は煙突入口に設けたファンによって燃焼ガスを誘引し、煙突に放出するものである。
3:誘引通風は、温度が高く体積の大きいガスを扱うため大型のファンを必要とし、また、ガス中の腐食性物質によってファンが損傷しやすい。
4:平衡通風は、押込み通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する。
5:平衡通風は、強い通風力が得られるが、二種類のファンを必要とし、誘引通風に比べ所要動力は大きい。
H23後期-B-問9
ボイラーの排ガス中のNOxを低減する燃焼方法に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:燃焼によって生じるNOxは、燃焼性が適切と思われる空気比の付近でピークとなり、空気比がこれよりも小さくても大きくても減少する。
2:空気予熱器を設置しないで火炎温度を低下させてNOxを低減する方法があり、この方法では排ガス熱はエコノマイザを設置して回収する。
3:燃焼用空気を一次と二次に分けて供給し、燃焼を二段階で完結させて、NOxを低減する方法がある。
4:燃焼用空気に排ガスの一部を混合して燃焼ガスの体積を増し、酸素分圧を下げるとともに燃焼温度を上げ、NOxを低減する方法がある。
5:可能な限り理論空気量に近い空気比で燃焼させてNOxを低減する方法があり、この方法は、省エネルギー対策にもなる。
H23後期-B-問10
ボイラーの熱損失に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:熱損失には、燃えがら中の未燃分による損失や温水のブローによる損失も含まれる。
2:不完全燃焼ガスによる損失は、燃焼ガス中にCOやH2などの未燃ガスが残ったときの損失で、通常、排ガス熱による損失よりも小さい。
3:燃えがら中の未燃分による損失は、ガスだきでは無視できるが、油だき及び石炭だきの場合は5%程度である。
4:ボイラー周壁から大気への放射熱損失は、ボイラーの容量が大きいほどその割合は小さい。
5:排ガス熱による損失は、乾き排ガス中のCO2の体積比にほぼ反比例する。
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