水管ボイラーにおける水の自然循環に関し、次のうち誤っているものはどれか。
1:下降管内の水の密度と上昇管内の気水混合物の密度の差により循環力が生じる。
2:蒸気ドラムと水ドラムの間の高さの差が大きいほど、水の循環力は大きくなる。
3:蒸気の熱伝達率は、沸騰水と比べてはるかに小さいので、運転中、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる。
4:熱負荷を増すと、上昇管内の気水混合物の平均密度が増加し、循環力が低下するので、上昇管出口における管壁温度が上昇する。
5:ボイラーの運転圧力が低いほど、蒸気の比体積が大きくなるため、ボイラー水の循環比を大きくとり、上昇管内で蒸気が占める体積割合を抑える必要がある。
答:4
1:正しい。自然循環式の水管ボイラーでは、下降管内の水の密度と上昇管内の気水混合物の密度の差により循環力が生じる。
2:正しい。自然循環式の水管ボイラーでは、蒸気ドラムと水ドラムの間の高さの差が大きいほど、水の循環力は大きくなる。
3:正しい。蒸気の熱伝達率は、沸騰水と比べてはるかに小さいので、運転中、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる。
4:誤り。水管ボイラーでは、熱負荷を増すと蒸発管内の蒸気割合が増加し、上昇管内の気水混合物の平均密度は小さくなり、循環力は増すが、循環量の増加に伴って流動抵抗の増大が著しくなり、熱負荷の増加の割合にはボイラー水の循環量が増加しないので、蒸発管出口での蒸気割合が大きくなり、管壁温度の上昇をもたらす。
5:正しい。ボイラーの運転圧力が低いほど、蒸気の比体積が大きくなるため、ボイラー水の循環比を大きくとり、上昇管内で蒸気が占める体積割合を抑える必要がある。
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